ミランと交渉中!新指揮官候補アンドニ・イラオラは何者か

ボーンマスを飛躍させた攻撃的戦術とバスク人指揮官の哲学

ミランは2026/27シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃し、クラブの改革に動いている。

マッシミリアーノ・アッレグリ監督の後任として現在話題になっているのが、今季限りでボーンマスの監督を退任するアンドニ・イラオラだ。

ロンドンでの会談と交渉の最新動向

26日の報道によると、ミランはロンドンでイラオラとの会談を控えている。すでにジェリー・カルディナーレやズラタン・イブラヒモビッチらと接触しており、先週はジョルジョ・フルラーニ、ジェフリー・モンカダとも話し合いの場が設けられた。次は合意を引き出すための交渉になるとみられる。

『スカイ』でジャンルカ・ディ・マルツィオ記者が語ったところによれば、ミランはこの数週間監督探しに動いていた。エンツォ・マレスカなどの招へいは実らず、シャビとの接触はないとのことで、現在はイラオラに集中している模様だ。

そもそもカルディナーレは、アッレグリ前監督の堅実な戦術を好んでおらず、次の指揮官には、コモのセスク・ファブレガス監督のような攻撃的なスタイルを要求しているとされる。

アンドニ・イラオラの指導者キャリア

1982年生まれのバスク人であるイラオラは、現役時代に右サイドバックとしてアスレティック・ビルバオで510試合に出場した実績を持つ。シャビ・アロンソやミケル・アルテタらに続く、新世代のバスク人指導者の一人である。

2018年にキプロスのAEKラルナカで監督としてのキャリアをスタートさせた。国内リーグで振るわずに短期政権に終わったが、UEFAヨーロッパリーグのグループステージ進出と国内スーパーカップ制覇を達成した。その後スペインに戻り、2部ミランデスを率いてコパ・デル・レイ準決勝に進出。続くラージョ・バジェカーノでは就任初年度に1部昇格を果たし、その後もチームを中位に定着させる手腕を見せ、着々とキャリアの実績を積んだ。

主力売却を乗り越えたボーンマスでの実績

ラージョでの実績が評価され、2023年夏からプレミアリーグのボーンマスを指揮した。

就任1年目は12位、2年目は9位と着実に順位を上げ、今季はクラブ史上初の欧州カップ戦出場権となる6位でフィニッシュしている。

特筆すべきは、毎年のように主力選手を引き抜かれながら結果を残した点である。ドミニク・ソランケをはじめ、ザバルニー、ハイセン、ケルケズ、ワッタラといった選手たちが多額の移籍金でクラブを去った。さらに2026年1月には絶対的エースのアントワーヌ・セメンヨをマンチェスター・シティへ売却しているが、それでも先述の通り、6位に入り、ヨーロッパリーグの出場権を獲得した。

戦術的特徴:攻撃的で縦に速いスタイル

イラオラは現代的な戦術アプローチを持つ監督だ。基本フォーメーションは4-2-3-1または4-3-3を採用し、サイド攻撃を重視するスタイルを用いる。

高い位置からのプレッシングと、ボールを奪ってから縦に速く攻めるダイレクトなスタイルが特徴だ。手持ちの選手の特長に合わせて微調整を行う柔軟性を持つが、自らの戦術的アイデンティティを曲げることはない。ハイセンやマルコス・セネシなど、異なるタイプのセンターバックを起用した際も、最終ラインからのビルドアップを機能させている。

一方で、攻撃的なスタイルの代償として失点が多い傾向にある。しかし、それを上回る得点力で勝ち点を積み上げてきた。

ジンクスと哲学:ビエルサの教えと文学への愛

人物像としては、マルセロ・ビエルサの下で2年間プレーした影響を受けており、常にメモを取るためのノートを持ち込んでいる。ボーンマス時代には、試合翌日であっても出場選手にトレーニング施設での軽めのメニューを課すなど、規律に厳しい一面を持つ。

また、ピッチ外では文学を愛好し、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』を愛読書に挙げている。ボーンマスにシェリーの墓があることを知ると、自らその教会を訪れたというエピソードもある。

試合中には指に絆創膏を巻くという選手時代からの個人的なジンクスを持っている。自らを「監督」というよりも「選手のサポート役」と定義し、「まだ自分は選手だと思っている」と語るなど、選手とのコミュニケーションを重んじる指揮官である。

余談だが、映画『スパイダーマン』のドクター・オクトパスを演じたイギリス出身の俳優アルフレッド・モリーナに顔立ちがそっくりであることでも知られている。

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