ターレSD退任後の権力はどこに
ジェノア戦の勝利により、ミランは来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に大きく近づいた。次節のカリアリ戦で勝ち点3を積み上げれば、2026/27シーズンの欧州最高峰の舞台への切符が確定する。
しかし、ピッチ上での目標達成が迫る一方で、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の去就を巡る議論は複雑さを増している。『MilanNews』などが18日に指揮官の現状を整理した。
ミランが解任を言い渡すのは難しい:2人の記者が紐解く背景
1年前、ミランと3年契約を結んだアッレグリは、クラブが掲げた今季の最大目標であるCL出場権獲得を目前にしている。結果という側面から見れば、彼の手腕に不備を指摘することは難しい。
マッテオ・モレット記者は、ファブリツィオ・ロマーノ記者のYouTubeチャンネルにおいて、次のように状況を説明している。
「アッレグリはミランと高額な契約を結んでいる。ミラン側の意志でアッレグリと離別することは難しいだろう。経済的、そしてスポーツ的な理由から、解任という形を取るとは考えにくい」
「焦点は、アッレグリ自身が何を望むかだ。シーズン終了後、彼は内部での話し合いを経て、自身の未来とミランの利益のためにどのような道を進むべきかの評価を下すことになる」
一方で、ジャンルカ・ディ・マルツィオ記者は18日に『スカイ』で、より慎重なトーンを帯びて以下のように語った。
「アッレグリがミランに残留するという確信はない。CL出場によって契約が1年延長されるのは事実だ。試算するとグロスで約2200万ユーロの規模になる。そのため、退任する場合は違約金が必要となる。アッレグリが2年の契約を残して自ら去るとは考えにくく、解任も現実的ではない」
「しかし、誰が決定権を握るかによって状況は変わる。スポーツディレクターのイグリ・ターレは退任の方向にあり、ジョルジョ・フルラーニ、そしてズラタン・イブラヒモビッチの立場も現時点では不透明だ」
続投への絶対条件:望まれる補強と役割の明確化
オーナーのジェリー・カルディナーレも最近のインタビューで指揮官の仕事を評価していると語っていた。だが、モレット記者が指摘した「アッレグリ自身が何を望むか」、そしてディ・マルツィオ記者が触れた「誰が決定権を握るか」という問題において、アッレグリが来季もミランのベンチに座り続けるためには、いくつかの不可欠な条件が存在する。
第一に、移籍市場における確かな補強だ。若手と経験豊富な実力者を組み合わせ、自身の戦術に合致した選手層の拡充を求めている。来季はUEFAコンペティションが加わるため、今季の19人構成では対応できない。少なくともフィールドプレーヤーで25人規模の、質と量を兼ね備えたチームが必要となる。
第二に、クラブ内における役割の明確化だ。アッレグリはピッチ外の権力闘争や、専門外の人間による市場への介入を嫌っている。予算の範囲内で自身の望むプロファイルに発言権を持つこと、 それぞれの役職が互いの領域を尊重することを求めている。
焦点は指揮官の意志へ:自主的な辞任はあるのか
このように、クラブ側からの解任が現実的ではない以上、焦点は「アッレグリが自ら一歩退く可能性」へと移る。一部メディアは、今季の戦いを通じて指揮官が精神的に疲弊している点を挙げ、辞任の可能性を排除していない。
さらに環境面での変化も懸念材料だろう。アッレグリはターレとの良好な関係を築いてきたが、そのターレはSD退任が濃厚とされている。加えて、イブラヒモビッチとの関係悪化に関する報道を否定していない。
仮に今後、これまでに報じられているように、マッシモ・カルヴェッリとイブラヒモビッチの体制がクラブの全権を握り、フルラーニの立ち位置が変わるようなことがあれば、アッレグリが身を引く決断を下す可能性は十分に考えられる。
歓喜の瞬間が訪れた後、ミランの未来を決める本格的な話し合いが始まる。
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