チャロバー獲得交渉やコモの未来を語る
セリエAで急速な成長を遂げているコモ。そのクラブを率いるミルワン・スワルソ会長が16日、『Business of Sport』のインタビューに応じ、独自のクラブ哲学や、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)への挑戦、ファイナンシャルフェアプレー(FFP)、そしてインテルも絡むメルカートの交渉裏話などについて語った。
サッカークラブではなく「スポーツの観光目的地」へ
コモは、セスク・ファブレガス監督が率いることで大きな注目を集めている。スワルソ会長はインタビューの中で、セスクがまだ選手としてコモに加入した当時からの歩みを以下のように振り返った。
「彼が選手として加入した当時、我々はセリエBにいた。そこからセリエBを脱出してセリエAに到達しようと決意した。セリエAの方がチャンスがより大きいからだ」
「しかし、それを当然のことだと思ったことは一度もない。我々は常に自らを支え、生き残るために模索してきた。その過程で、単なるフットボールクラブであるべきではなく、スポーツの観光目的地になるべきではないかと考えたんだ」
この戦略は、コモという土地ならではの特徴に基づいているという。
「コモの人口はわずか8万5000人だ。スタジアムのキャパシティを考えれば、1万5000人の観客が入ればそれだけで大興奮だ。しかし観光客数に目を向ければ、私がここに来た当初は年間190万人だったが、昨年には560万人に達している」
「ルール違反なら躊躇なく罰金を科してほしい」
スワルソ会長は、クラブが急成長を遂げる中で直面している、UEFAの登録リスト問題についても触れた。チーム内のイタリア人選手の少なさが、欧州のコンペティションにおける登録上の制約となっている。
「昨シーズンの我々のチームには、イタリア人選手が1人しかいなかった。これは今シーズン、CLなどの選手登録において、イタリア人以外の選手を17人しか登録できないことを意味する。だからこそ、チームのバランスを整えなければならない」
「昨年の冬、我々は約1カ月の間に13〜14試合を戦うという、ヨーロッパの大会に出ていないクラブとしては異例の過密日程を経験した。各試合の後の回復期間は3日未満だったが、セスクからは『これは良いテストだ。練習量と休息を考えて、ヨーロッパで戦う準備をしよう』と言われた」
「新しいシーズンは多くの試合が控え、CLもあるため過酷な戦いになる。コンスタントに戦うためには、チームが強く、スタッフが知的でなければならないが、同時に欧州のルールにも従う必要がある」
スワルソ会長は、この不均衡なチーム構成における登録問題を巡り、UEFAと直接話し合いの場を持ったことを明かした。
「UEFAと話したが、我々の現在の立ち位置は前例がないそうだ。そこで私は彼らに『もしルール違反にあたるのであれば、躊躇なく罰金を科してほしい』と伝えた。欧州の舞台に立つ以上、我々は連盟の良きメンバーでありたいし、モデルクラブになりたい。もし罰金を支払う必要があるならばそうしてほしいし、他と違う特別な扱いは望まない」
インテル会長への直電とチャロバー獲得競争の裏側
インタビューの中では、チェルシーのトレヴォ・チャロバーを巡り、インテルと競合した際の奇妙な裏話も語られた。
「メディアでは、我々がイングランド人選手を巡って別のイタリアのクラブと競争していると報じられた。そこで私は思ったんだ。『どうしてそのクラブの会長に直接電話してこう言わないんだ? もし彼が欲しいならどうぞ獲得してください、私たちは一歩引きます。その代わり、彼を買うなら、あなたのクラブから選手を一人に譲ってください』とね」
このユニークな提案に対し、相手側の会長、つまりジュゼッペ・マロッタからは前向きな反応があったという。
「先方からは『電話をありがとう、感謝する。また検討して連絡するよ』と言われた」
ディアオやバトゥリナに高額オファーも…
また、スワルソ会長は移籍市場におけるコモの強気なアプローチと、所属選手に届いた高額オファーを拒否した詳細な裏話を披露した。
「過去に我々は、左ウイングのアサン・ディアオを1200万ユーロで獲得した。すると、その夏の後に彼に対して6000万ユーロのオファーが届いたんだ」
巨額の売却益を生み出す好機をなぜ断ったのか。その理由を問われたスワルソ会長は、将来的な利益の最大化を見据えた戦略を説明している。
「選手を長く手元に留めておくほど、より大きな利益を得られる可能性があるからだ。また、我々は別の選手(マルティン・バトゥリナ)を1800万ユーロにボーナスを加えた額で獲得したが、彼に対しても5500万ユーロのオファーが届いた」
「しかし、我々の評価だと、彼には7500万ユーロの価値があると踏んでいる。だからこそ、彼をもう少し手元に残すことができる」
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