事故と手術を乗り越え、キヴの系譜を継ぐ復活のゴール
インテルの育成組織に所属するフィリッポ・セラントーニの復活劇が、大きな感動を呼んでいる。特にこの復帰を喜んでいる一人が、現役時代に同様の苦難を経験したトップチームのクリスティアン・キヴ監督だ。
栄光からの“転落”、過酷なリハビリ
2010年生まれのセラントーニは、2024/25シーズンのカンピオナートU-15決勝のフィオレンティーナ戦で先制点を決め、優勝に貢献した。
しかし、歓喜の中で迎えたサルデーニャ島での休暇中、悲劇に見舞われる。
岩場から飛び込んだ際に足を滑らせ、頭部を強打。意識不明の状態で病院へ緊急搬送された。極めて繊細な脳の手術を受け、一命を取り留めたものの、選手生命どころか後遺症への懸念すら囁かれる事態となった。
それでもセラントーニはカルチョを諦めず、懸命なリハビリを開始した。練習再開後もしばらくは接触プレーが禁じられるなど、慎重なステップを余儀なくされたが、不屈の精神で苦難の日々を過ごした。
292日目の結実
事故から292日が経過した2026年4月15日、ついにその時が訪れる。ズュートティロール戦の59分からピッチに立ったセラントーニは、75分にゴールを記録。これ以上ない形で、実戦への復帰を自ら祝した。
キヴとセラントーニの絆
キヴ監督は現役時代の2010年1月のキエーヴォ戦でセルジョ・ペリッシエとの接触により頭蓋骨を負傷し、緊急手術を受けた。復帰後はヘッドギアを装着してプレーした。
セラントーニと同じ境遇を知る指揮官は、16日の会見で次のように明かしている。
「まずお伝えしておくべきことだが、昨年夏に起きたことを最初に知ったのは私だった。最初に電話をかけたのも私だ。彼と家族と話し、実際に会って話した。希望を失っておらず、笑顔の少年だった。私と同じで、ピッチに戻りたいという意思を持っていた」
「事故を引きずらずに、勇気を持って取り組もうと伝えた。ヘッドギアの種類をアドバイスしたりもした。ヘッドギアをかぶってピッチに戻った彼を見たときはうれしかったよ。耳を出した方が周囲の音が聞こえてやりやすいぞ、なんてことも伝えた。一番やりかかったことができることは最高だ」
「ハングリーな気持ちとモチベーションは大事だ。それで全てを乗り越えられるわけではないが、困難を抜け出す可能性は格段に高くなる。彼には、笑顔を絶やさず、試合を楽しみ、人生が与えてくれる良いことも悪いことも尊重し、良い時も悪い時も決して諦めないようにアドバイスするよ」

