ユヴェントス、CL出場権を巡るフロント陣の動向と再編のシナリオ

チャンピオンズリーグ出場権の有無がもたらす分岐点

フィオレンティーナ戦の敗戦により、ユヴェントスは来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に向けて極めて厳しい状況に追い込まれた。最終節を残した現時点でチームは6位に沈んでおり、自力での出場権獲得の可能性は消滅している。

このCL出場権の有無は、クラブの財政面だけでなく、フロント組織の今後の動向を大きく左右する分岐点となる。ピッチ上での結果がもたらす、ユヴェントスの組織再編における2つのシナリオを『スポルトメディアセット』の報道などをもとに検証する。

CL出場権を獲得した場合のシナリオ:緩やかな変化と現体制の継続

仮に最終節で条件が重なり、ユヴェントスがCL出場権を獲得した場合、フロント陣の変革は最小限に留まる可能性が高い。ジョン・エルカーンとルチアーノ・スパレッティ監督の関係性は強固であり、CL出場という最低限の目標が達成されれば、現行の路線が基本的には踏襲される。

役職の最適化と現体制の維持

CL出場権が確保されれば、組織内の緊張感は和らぎ、人事的な議論はよりマイルドなものになる。エルカーンの信頼が厚いのダミアン・コモリCEOは、職に留まりつつも、今後はメルカートの実務から少し距離を置く形へのシフトが予想される。

フランソワ・モデストTDの立場も、即座に更迭されるようなドラスティックなものにはならず、実務の分担を見直す方向で調整される。現状のバランスを大きく崩すことなく、来季の欧州舞台に向けた準備が進められることになる。

CL出場権を「逃した場合」のシナリオ:組織再編

一方で、このままCL出場権を逃す結果に終わった場合、クラブはピッチ上での結果において15年ぶりの失態を演じることになる。2022/33シーズンは勝ち点剥奪による7位であり、ピッチ上の成績ではCL圏内を確保していたため、純粋な成績不振での未到達となれば大きな意味を持つ。この15年ぶりの事態に直面すれば、エルカーンはフロント刷新に動かざるを得ない。

モデストの退任とオットリーニへの権限委譲

CLを逃した際、最も立場が危うくなるのはモデストTDである。同TDはクラブを去る可能性が高く、代わってスポーツディレクターのマルコ・オットリーニが移籍交渉の全権を握る形になりそうだ。

コモリCEOはエルカーンが自ら連れてきた人物であり、解任にまでは至らないとみられる。ただし、一部の権力は失うことになる。

スパレッティ体制のサポート強化

スパレッティ監督自身は続投への意志を示しており、エルカーンも総入れ替えは望んでいない。しかし、結果を出せなかった指揮官へのサポート体制は変革を余儀なくされる。

実権を握るオットリーニは、単にメルカートでの交渉にあたるだけでなく、現場の理解者としてスパレッティを直接的に支え、グループマネジメントに深く介入する役割を担うことになる。

また、FIGCやUEFAとの外交役として立場が堅固なジョルジョ・キエッリーニの存在も、現場とクラブをつなぐ上でより重要性を増す。

ダービーマッチの後に下される決断

トリノとのダービーマッチの結果を経て、ユヴェントスはCL出場権を獲得できるのか。それ次第で、クラブの予算は大きく変わり、フロントの動きも変わってくる。

トップのエルカーンがどのような決断を下すのか。最終節のトリノダービーは、クラブの未来を左右する大一番になるかもしれない。

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