契約延長交渉が決裂との報道も、マロッタ会長は「双方合意の円満離婚」を強調
2026年夏のメルカートが閉鎖となった翌日、インテルに衝撃が走った。2日、スポーツディレクター(SD)を務めていたピエロ・アウジリオとの契約を双方合意の上で解除したと公式発表した。後任のチーフスポーツオフィサー(CSO)には、これまでトップチームおよびテクニカルエリアでアウジリオの右腕を務めてきたダリオ・バッチンが就任する。
28年間にわたる貢献とバッチンの昇格
アウジリオは約28年にわたりクラブに在籍し、下部組織の責任者など様々な役職を歴任した。2010年12月にトップチームに関わるようになり、2014年2月にSD兼テクニカルエリア責任者に就任。その在任期間中、3度のセリエA優勝(スクデット)、3度のコッパ・イタリア、3度のスーペルコッパイタリアーナという計9つのタイトル獲得に貢献した。また、UEFAチャンピオンズリーグで2度、UEFAヨーロッパリーグで1度の計3度、欧州大会の決勝進出を果たしている。
クラブのジュゼッペ・マロッタ会長は公式声明で「クラブ、オーナー、そしてインテルファミリーの全従業員を代表してピエロに感謝したい。歓喜の瞬間、勝利、激しい仕事、そして多くの情熱を共有してきた」とコメントした。
後任となるバッチンについて、マロッタ会長は「ダリオはクラブを熟知しており、オーナーと私が用意した新たな役割を引き受ける準備ができている。経営の継続性を示しつつも革新的な選択だ。彼は長年にわたりテクニカルエリアの不可欠な一員であり、トップチームと連携したU-23チームの創設に取り組んできた」と説明した。
契約延長交渉の不成立と提示額を巡る背景
一方で、今回の退任劇の背景について『コッリエレ・デッラ・セーラ』が詳細を報じている。
同紙によると、2027年まで契約を残していたアウジリオに対し、オークツリーは2028年までの1年延長と、年俸140万ユーロプラスボーナスという条件を提示したとされる。
アウジリオの従来の年俸は130万ユーロ(昨季はボーナスを含め150万ユーロ)であり、この提示内容に対してアウジリオは正当に評価されていないと感じ、難色を示したとのことだ。
長年の貢献に見合う長期契約と金額を期待していたアウジリオと、提示を上限としたクラブ側の間で溝が埋まらず、関係の破綻に至ったとされている。
なお、アウジリオは周囲に対し、現時点で他クラブからの具体的なオファーは届いていないと明かしているという。
マロッタ会長「サッカーではクラブが何よりも優先される」
2日にミラノで開催された『Gran Galà del Calcio AIC(イタリアサッカー選手会主催のセリエAの年間表彰式)』の会場において、マロッタ会長は報道陣からの質問に応じ、次のように語った。
「私のようなベテランにとって、特に難しい一日というわけではない。キャリアの中でこうしたことは何度も経験してきた。今日はプロフェッショナルであり、友人でもある人物との別れが成立した日だ。感謝の言葉しかないが、双方が合意した友好的な別れである」
また、理由について問われると、「カルチョの世界においては、まずクラブやブランドがあり、その後にマロッタやアウジリオといった個人が存在する。これが私のスローガンだ」と話し、クラブの存在が最優先されるべきだ強調した。
さらに『スカイ』の取材に対しても、マロッタ会長は「28年間をインテルで過ごした後、別の場所で自分を試したい、あるいは充電期間を取りたいと考えるのは自然なことだ。双方が非常に穏やかで尊重し合った上で責任を取った結果である」と述べ、アウジリオとの間に良好な関係が保たれていると主張した。
後任のバッチンについては「キヴを起用した時と同様に、インテルのDNAを持つ内部の人材を活用することは素晴らしいことだ。バッチンはアウジリオの教え子でもあり、彼の役割を立派に果たしてくれると確信している」と全幅の信頼を寄せた。
●過去の思い出深いオペレーションを語るアウジリオ(2026/2/27)

