プレーオフで敗れて降格決定
17日にセリエC残留プレーアウトのセカンドレグが行われ、ミラン・フトゥーロ(U-23ミラン)はSPALに敗れ、セリエD降格が決まった。
18位でレギュラーシーズンを終えたミラン・フトゥーロは、17位SPALとプレーアウトで対戦。ファーストレグでは1-0で先勝していたものの、セカンドレグで0-2と敗れ、2試合合計1-2での降格となった。
発足1年目で低迷
プリマヴェーラから昇格してトップチームに即定着するのは、ごく一部の超才能を除けば極めて難しい。そのため、近年ではその間を埋めるセカンドチームを発足させるクラブが増えている。ミラン・フトゥーロも、そうした流れの中で誕生したチームの一つだ。
ミラン・フトゥーロは、ミランのプリマヴェーラで育った選手を中心に有望な若手を数多く擁しており、セリエCで経験を積むことを目的としていた。しかし、シーズン序盤から苦戦が続き、2月にはダニエレ・ボネーラ監督が解任され、後任としてマッシモ・オッドが就任。その後ある程度の立て直しを見せたが、最終的に残留には届かなかった。
ミラン・フトゥーロは弱かったのか
ミラン・フトゥーロの才能たちに力がなかったのかというと、それは疑問符が付く。4月にはセリエCグループB最終順位2位のテルナーナを下すなど、ポテンシャルの高さは示していた。
13日放送の『TMWラジオ』で、サンドロ・ポケーシは「ミラン・フトゥーロは選手起用の管理が不十分だった。交代が多く、不安定だった。正しいメンバーを起用できた試合では、強豪を下すこともあった。テルナーナに勝った試合を覚えている。こうしたプロジェクトには、より明確なルールが必要だ」と語っていた。
確かに今季のミラン・フトゥーロは、ベストメンバーを揃える機会が限られていた。アレックス・ヒメネスはシーズン途中からトップチームに定着したため仕方なかったとはいえ、フランチェスコ・カマルダはトップチームとの間を行き来していたものの、トップでの試合出場はほとんどなかった。セリエCのプレーオフおよびプレーアウトでは、同一シーズン中に25試合以上に登録されていない選手は出場できない規定があり、大一番でこの2人を起用できなかったのは大きな痛手だった。
『transfermarkt』によれば、ミラン・フトゥーロのチーム総市場価値は2185万ユーロで、セリエC内では群を抜いて高かった。それでも降格を免れなかった背景には、こうした運用上の問題も影響していたと考えられる。
監督経験に乏しいボネーラの指揮も一因だったかもしれないが、起用可能なメンバーが常に入れ替わる状況では、チームとしての成熟度を高めることは難しく、経験豊富な相手に敗れるのも無理はなかった。
損失は1500万ユーロ以上
17日の『トゥットスポルト』によると、ミランはミラン・フトゥーロ発足と、冬の補強合わせて1500万〜2000万ユーロを投資した。育成に対する投資だとしても、セミプロであるセリエDに降格して、何人の選手が残るかは不透明で、再昇格への道のりは容易ではない。この責任を誰が取るのかというのも今後のテーマの一つだ。
『MilanNews』によれば、プレーアウト・セカンドレグの会場に姿を見せたクラブ幹部は、ミラン・フトゥーロのディレクターであるヨバン・キロフスキただ一人だった。一方でズラタン・イブラヒモビッチは、同日に行われたプリマヴェーラのジェノア戦を訪れていたという。
いくら名門クラブのセカンドチームで、多くの原石を抱えていたとしても、プロの舞台では才能だけで戦い抜くことはできない――その現実が浮き彫りになった。ミランはトップチームと同時に、セカンドチームの再構築も急務となりそうだ。
同じ街のライバルであるインテルは、今夏U-23チームの発足を予定している。宿敵の失敗を目の当たりにして、学ぶこともあったかもしれない。