契約延長合意とプレシーズンでの躍動、若きセンターバックの経歴とプレースタイルを追う
インテルの下部組織が生んだ18歳のセンターバック、レオナルド・ボヴィオがトップチームに定着しつつある。2026年夏のプレシーズンでは、ユヴェントス戦で90分間フル出場しコロ・ムアニやジョナサン・デイヴィッドを封じ込め、ベティス戦でも先発を果たした。インテルはツアー出発前に契約延長で正式合意しており、クリスティアン・キヴ監督はボヴィオを継続的にトップチームの一員として起用する方針を固めているという。プレシーズンの主役の一人となったこの若きセンターバックとは、いったいどんな選手なのか。
プロフィール
- 名前:レオナルド・ノア・ボヴィオ(Leonardo Noah Bovio)
- 生年月日:2008年2月4日
- 出身:ピエモンテ州ヴェルチェッリ県生まれ、同州ノヴァーラ県育ち
- 国籍:イタリア
- 身長:187cm
- ポジション:センターバック
- 所属:インテル
これまでのキャリア
ボヴィオがボールを蹴り始めたのは、柔道の畳の上からだった。エッチェレンツァ(イタリア5部相当)でプレーした経験を持つ父アンドレアの影響で育った少年は、最初はうまくいかず、父から冗談交じりに「カルチョよりダンスの方が向いている」と言われたこともあったという。
出身地はマルペンサ空港近くのベッリンツァーゴ・ノヴァレーゼ。9歳でインテルの下部組織に加入した。そこから着実にステップアップを重ね、2023年にはU-15のスクデット獲得時にキャプテンを務めている。
2025/26シーズンは、しばしば年代を超えてプリマヴェーラに起用され、リーグ戦19試合・UEFAユースリーグ7試合に出場、4得点をマークした。U-17イタリア代表監督のマッシミリアーノ・ファーヴォは、『Linterista』の取材に対し「レオナルドは何よりもまず模範的なプロフェッショナルで、素晴らしい人間だ。呼ばれれば必ず応えてきた。指導者にとってこれ以上大切なことはない」と語っている。
直近シーズンには、ステファノ・ヴェッキ率いるインテルU23(セリエC)でプロキャリアの第一歩を踏み出しているが、出場機会には恵まれなかった。
潮目が変わったのは2026年夏のプレシーズンだ。パース(オーストラリア)で行われたミラン戦では途中出場。数日後に迎えた同地でのユヴェントス戦では、パヴァール、バストーニと3バックを組んで先発し、90分間ピッチに立ち続けた。デイヴィッドとコロ・ムアニという実力者を相手に落ち着いたプレーを見せ、インテルで唯一90分をフルに戦った選手となった。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はこの試合の採点で6.5をつけ、「18歳にして大きな未来がある。キヴがセンターバックとしての晴れ舞台を与え、彼は自信を持って実力を示した」と評価。そして帰国後、最後のプレシーズンマッチとなったベティス戦でも、センターバックとして先発した。
なお、契約延長についてはツアー出発前にはすでに正式合意していたとされる。
プレースタイル
本人が思い描く選手像は明確だ。専門誌『Undici』の取材に対し、「モダンなセンターバックになることを目指している。後方から的確にビルドアップし、クリーンに攻撃を組み立てられる選手になりたい」と語っていた。
理想とする選手はカルレス・プジョールとセルヒオ・ラモスだ。その“シャツイン”の古風的な佇まいから「80〜90年代からやってきたようなセンターバック」と評されることもあるが、ビルドアップの質と落ち着きは現代的で、現在のインテルではアレッサンドロ・バストーニと重ねて語られることが多い。センターバックとしては得点力も持ち合わせており、2025/26シーズンはカンピオナートとユースリーグ合わせて4得点を記録した。
現状・注目ポイント
インテルの最終ラインには、アカンジ、バストーニ、ビセック、ストーンズ、パヴァール、カルロス・アウグストと、経験豊富な顔ぶれがそろう。この層の厚さの中で、18歳のボヴィオがすぐにレギュラーの座をつかむことは簡単ではない。
現実的なシナリオとして有力視されているのは、ステファノ・ヴェッキ率いるインテルU23でシーズンを通して出場機会を積みながら、必要に応じてトップチームにも呼ばれるという二面作戦だろう。フランチェスコ・ピオ・エスポジトやアレクサンダル・スタンコビッチが辿った成長曲線と重ね合わせる声もある。
プレシーズンで注目を集めた若きセンターバックの前には、インテルU23とトップチームを行き来しながら経験を積む一年が待っている。バストーニの後継者と呼ばれるにふさわしい選手へ育つかどうか、この先の起用方に注目が集まるだろう。

