インテルがハカン・チャルハノールの獲得をほぼ決めたようだ。これまでの流れを振り返ってみよう。
インテルでの年俸は?
イタリア各メディアは21日、チャルハノールが翌日にインテルのメディカルチェックを受ける見通しになったことを伝えた。
『スカイ』によると、インテルのオファーは年俸500万ユーロ+ボーナス100万ユーロ。2024年までの契約となる。背番号は10が埋まっているため、11か21ではないかと報じられた。
一方、22日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、ボーナスはなし。1年目が年俸450万ユーロで、2年目以降は500万ユーロと伝えている。
加入当初はフィットせず…
チャルハノールは2017年夏にミランに加入。このときに4年契約を交わした。しかし、10番として期待されたレベルの活躍は見せられず、なかなか本来のパフォーマンスを披露できなかった。
それでも、2019/20シーズン後半戦から得点に直結する働きが増え、ミランの中盤で不動の地位を築く。それ以前は放出の噂もあったチャルハノールだが、ステファノ・ピオリ体制で重要な選手であることが証明されると、クラブは2020/21シーズンに入って残り1年となった契約を更新するために動いた。
チャルハノールの年俸は250万ユーロ程度。ミランはこれを350万ユーロまで引き上げようとしたが、チャルハノール側の要求は500万ユーロ以上だった。ミランは400万ユーロまで歩み寄るも、選手側はいい返答をせず、交渉が凍結されていた。
交渉が行き詰まると、5月にはカタールのアル・ドゥハイルが、年俸800万ユーロの3年契約を提示したと報じられ、さらに混乱。チャルハノール側にとってはいい交渉材料ができたが、それでもミランの条件は400万ユーロから動かなかったとされている。
ミランもチャルハノールの選択肢狭まる
なかなかチャルハノールの返答が得られずにいたミランは、ウディネーゼのロドリゴ・デ・パウルを代役にリストアップ。真剣に獲得を検討していることが報じられていた。しかし、そのデ・パウルは、アトレティコ・マドリーへの移籍が決定的になったようで、獲得は不可能に。アトレティコ・マドリーは、デ・パウルがムリならチャルハノールの獲得に動く構えだったようで、チャルハノールとしても新天地候補が一つ減った形だ。
ミランはチャルハノールが残るのか移籍するのかで、今夏のメルカートでの動きが大きく変わるだけに、早い返答を求めていたに違いない。しかし、本人は「EURO2020に集中したいとマルディーニに伝えた」とコメント。一部では、ミランがこの態度に業を煮やしたとも報じられた。
エリクセンのアクシデント
そんな中でEURO2020が開幕。チャルハノールは、自分の価値を証明するアピールの機会と捉えていたかもしれないが、トルコ代表はグループステージ最下位で敗退が決定した。
しかし、インテルで予期せぬトラブルが起きたことで、チャルハノールの未来が変わることに。デンマーク代表のクリスティアン・エリクセンが試合中に倒れ、いつ復帰できるのかは全く分からなくなった。
これを受けて、インテルはすぐに代役となるMF探しを始めていた模様。そこで浮上したのが、ミランとの契約が満了間近の10番だった。
22日追記
22日付の『コッリエレ・デッロ・スポルト』によると、エリクセンが手術を受けた17日、チャルハノールの代理人からインテルに逆オファーがあったという。
シモーネ・インザーギ監督はこの提案を大歓迎。クラブは予算面の検討に入り、急いで取引をまとめにかかったそうだ。