ミランの低迷は誰のせい?専門メディアは経営陣を非難「レッドバードではアイデンティティも勝利もない」

「クラブにとってファンはお金を生み出す顧客でしかない」

「皆さんは、ミランのオーナーが、本当に勝つことを望んでいると確信しているのだろうか。私にはそうは見えない。イブラヒモビッチなら、古き良きミランの野心をもたらせると思ったが、実際にはそうならなかった」

マッシモ・マウロは『スポルトメディアセット』の番組でセリエA第32節を振り返った際、ウディネーゼに完敗したミランについて、こう語った。

前節ナポリ戦に続く連敗で、首位インテルとの勝ち点差が12となったミランは、スクデットレースからほぼ脱落した。この窮状に対し、現地メディアからも厳しい批判が飛んでいる。

『MilanNews』は、経営陣の姿勢に問題があると指摘。「レッドバードによる保守的な政策の“人質”になっており、そこにはティフォージの情熱や魂を揺さぶるスポーツとしてのカルチョの姿が圧倒的に欠けている」とし、現体制の功罪を次のように綴った。

「エリオット、そしてレッドバードは、中世のような古い体制に留まっていたクラブに、近現代で自立した構造を取り戻した。これは誰もが認める功績だ。しかし、その後はどうだ? 結局、現状維持に終執し、高みを目指すことのないシステムになっている。他チームが優勝を目指してスタートを切る中、ミランはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)圏内の確保を目標に掲げている」

5億ユーロの投資と「市場の迷走」

こうした野心の欠如は、具体的な数字にも表れている。補強に投じる額も、ミラニスタたちを納得させていない。レッドバードはスクデットを獲得した直後のミランを引き継ぎながら、そこから野心、情熱、そしてスポーツ面での成長を剥ぎ取ったとの声も根強い。同メディアが提示したデータは、投資のやり方が場当たり的であることを物語っている。

補強投資額の内訳

  • 2022/23:6,200万ユーロ
  • 2023/24:1億3,200万ユーロ
  • 2024/25:1億3,900万ユーロ
  • 2025/26:1億7,000万ユーロ
  • 合計:5億300万ユーロ

売却収益額の内訳

  • 2022/23:1,111万ユーロ
  • 2023/24:7,432万ユーロ
  • 2024/25:5,366万ユーロ
  • 2025/26:1億7,620万ユーロ
  • 合計:3億1,400万ユーロ

帳簿上の成功、ピッチ上の空虚

巨額の資金が動いているにもかかわらず、チームに一貫性が見られないのはなぜか。同メディアは、「ジョルジョ・フルラーニCEOの下、レッドバードは絶えずチームを作っては壊しを繰り返してきた。その結果、ミランはひとつのチームであることをやめ、キャピタルゲインを生むための機械、あるいは金融商品へと成り下がった」と、その本質を突く。

財務面での健全化は否定できない事実だ。しかし、同メディアは収支の黒字化を評価しつつも、現場の荒廃を次のように嘆く。

「その裏で、チームはこの3年間で監督や選手が頻繁に入れ替わり、バラバラにされた。軸となる選手はおらず、アイデンティティもなく、ティフォージへの敬意も欠落している。ミランにとってティフォージは、もはや『お金を使ってくれる顧客』でしかなく、試合に負けても無関心でいることを求められているかのようだ」

その歪みは、すでにスタジアムの光景に現れている。「0-3で敗れたウディネーゼ戦では、試合終了前にスタジアムが空席だらけとなった。果たして、これが持続可能なシステムと言えるのだろうか」と、現状の危うさに警鐘を鳴らした。

証明されたパオロ・マルディーニの懸念

さらに、同メディアは現在の混迷の端緒として、パオロ・マルディーニを不当に追い出した過去に再び焦点を当てた。

「2026年にもなってパオロ・マルディーニのことを持ち出すのは執拗に思えるかもしれない。しかし、スポーツ面での転落はあの日から始まった。彼が優勝後のインタビューで語った提言は、今やかつてないほど現実味を帯びている」

「クラブは彼の言葉とは真逆の道を選び、その結果が現在の惨状だ。マルディーニがあっさりと追い出された一方で、ここ数年の屈辱的な敗北を招いているフルラーニら現幹部が、なぜ未だにその職に留まっているのか」

かつてのレジェンドが危惧した通り、クラブは魂を失いつつあるのかもしれない。同メディアは、「サン・シーロでは、このウォール街の論理はすでに限界を迎えている。情熱も野心もビジョンもないミランに対し、ティフォージは幻滅している。ティフォージが去ったとき、この空っぽのクラブには一体何が残るのだろうか」と、暗い展望で締めくくった。

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