イタリア代表デビューの18歳は「若手へのチャンスという点で遅れている」と指摘
18歳のウィルフリード・ニョントがイタリア代表デビューを飾ったことが、大きな注目を集めている。古巣インテルにとっては、逃した選手が大成した形で、6日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はその問題を指摘した。
ニョントはインテルの下部組織出身だが、16歳のときにインテルとの契約を断り、スイスのチューリッヒへ移籍した。そのチューリッヒでコンスタントに活躍したことで、ロベルト・マンチーニ監督から声がかかるようになっている。
『ガゼッタ』はニョントを手放したインテルが「もう少しできることがあったはずだ」と指摘。「何百万ユーロの話をしているわけではない。実際、彼は当時からアントニオ・コンテのトップチームで練習に参加していた。その中で、その世代からウィリーではなく、違う特長を持ったセバスティアーノ・エスポジトがよりトップデビューの準備ができていると考えられた」と記している。
また、『レプッブリカ』は、「8歳でインテルにやってきた少年は2015年のクリスマスパーティーでマンチーニに写真を撮ってほしいと頼んでいた。その彼が2020年に16歳でインテルを去った。インテルが彼のプロ契約に熱心ではなかったからだ。そしてチューリッヒはインテルが見せなかった熱意を見せた。インテルは育成補償の12万ユーロを得ただけだ」と伝えた。
それでも、『ガゼッタ』はインテルだけの責任とは言いがたいとも加えている。「連盟は15歳以下の選手の契約を認めていない。それは才能を守るという意味で、ベルギーでもフランスでもドイツでも行われている。そうやって、ニョントはチューリッヒへ、スカマッカはPSVへ、マケダはマンチェスター・ユナイテッドへ行った」と、システム面の問題もあると述べた。
自身の選択を正しいものにしたニョント
『TMW』は、チューリッヒがスイス1部リーグを制したあとでニョントにインタビューを行っている。その中で、インテルを去ったときのことにも触れた。
「8年間過ごしたインテルを離れるのは簡単じゃなかった。でも、ここではすぐにトップチームの一員になる機会をもらえたんだ。急ぐことなく、プレッシャーから距離を置くこともできた」
イタリアではなかなか出番がないということも感じていたようだ。
「その点(若手のチャンス)ではかなり遅れていると思う。イタリア国外だと、17歳、18歳の選手にもチャンスはたくさんあるんだ。その選手が、イタリアの同じ世代と比べて特別にすごいとは思わないよ」
今夏の移籍市場でステップアップが話題になっているニョント。このまま成長を続けていけるだろうか。