ビッグクラブ初挑戦で変わるかも?
ローマは18日、ダニエレ・デ・ロッシ監督を解任し、イバン・ユリッチを新監督に迎えた。早すぎる指揮官の交代で、ローマはどう変わるのだろうか。19日の『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の記事をもとに紹介する。
デ・ロッシは開幕から3試合を4バックで戦ったあと、第4節のエンポリ戦で3−5-2を使った。前監督は昨季も3バックと4バックを併用していたが、3バックを使ったフィオレンティーナ戦のあとで「選手たちが疲労を感じていると感じ、安定している3バックに戻った」と語った。そこから夏のメルカートを経て、紆余曲折があり、パウロ・ディバラの残留もあったあと、最終的に3-5-2に収まりつつあったところで、同紙は「期せずしてデ・ロッシはユリッチの戦術に近づいていた」と強調している。
ガスペリーニの弟子
昨季トリノを指揮したユリッチは、パレルモ時代にジャン・ピエロ・ガスペリーニのアシスタントを務めており、「ガスペリーニの弟子」として知られている。師匠と同じ3バックの使い手で、基本フォーメーションは3−4−2−1になる見込み。厳格な性格も似ており、意見が合わなければクラブとも選手とも衝突するタイプだ。
同紙は、「ただ、ヨーロッパの大会は彼にとって初挑戦で、チーム運営における妥協や選手の使い方に変更があるかもしれない」と、ビッグクラブにやってきたことでユリッチの態度が変わる可能性はあるとしている。
ビルドアップ重視はなくなるか
前述したように、ガスペリーニと同じ3バックだが、可変型というのも師匠譲り。あくまでシステムは数字でしかなく、状況に応じて柔軟に対処してくるのが強みだろう。
戦い方としては、デ・ロッシが後方からのビルドアップを重視していたが、これは新体制で変わる可能性が高い。ユリッチは必要以上につなぐことを望まず、フリーとなっているサイドの選手を使ったり、前線へロングボールを入れることにも積極的だ。実際、トリノではバンヤ・ミリンコビッチ=サビッチがロングキックを多用していた。トリノでのアレッサンドロ・ボンジョルノのように、マッツ・フンメルスを高めの位置に置いて組み立てに参加させることも考えられる。
サイドの2人は、しばらくバランスを取る可能性が高い。左サイドにアンヘリーニョを使うのであれば、右サイドにステファン・エル・シャラウィを入れるのは考えにくく、ゼキ・チェリクとなるという予想だ。
中盤の守備は、基本的に2人で担当するが、加えてトレクァルティスタの一方がサポートに入るのがユリッチのやり方だろう。
課題は継続
ユリッチは昨季、2トップも使っており、自分の信念に対しては頑固でありながら、戦術的な柔軟性は持ちあわせている。ただ、ディバラが残留したことでデ・ロッシ体制でも問題となったマティアス・スレの共存という課題の解決策は見えてこない。最前線はフィジカルの強いアルテム・ドフビクで決まりだが、そのそばに誰をどう置くのかは一つのポイントになりそうだ。