20歳の左利きCBがトロワから引き抜かれた背景と、ミランで期待される役割
2026年7月28日、ミランはトロワからセンターバック、サンクン・ディアワラの獲得を発表した。フランス2部でこの半年ほど頭角を現したばかりの、まだ無名に近い20歳。それでもミランは2031年6月30日までの長期契約を用意し、背番号13を託した。
ミランにとって今夏3人の補強は、どんな人物なのだろうか。イタリア・フランスメディアの報道をもとに紹介する。
プロフィール
- フルネーム:サンクン・ボクム・ディアワラ(Sankhoun Bocoum Diawara)
- 生年月日:2006年1月13日(20歳)
- 出身地:フランス・パリ
- 国籍:フランス(セネガルにルーツ)
- 身長:190cm(メディアによって多少の差異あり)
- ポジション:センターバック
- 利き足:左
パリの街クラブから、トロワが育てた至宝へ
ディアワラはパリ生まれ。地元の街クラブでボールを蹴り始め、2020年頃にトロワのアカデミーへ加入した。ユース年代ではU-19のキャプテンを務め、フランスのユース年代カップ「クープ・ガンバルデッラ」で準決勝進出に貢献している。
2024年6月にトロワとプロ契約を締結すると、同年11月16日のクープ・ド・フランスでトップチームデビュー。しばらくは出番の少ない下積み期間が続いたが、2025/26シーズン後半に風向きが変わり、リーグ2でレギュラーの座をつかんだ。
リーグ戦とカップ戦を合わせて17試合に出場。2月中旬以降は常時先発出場で、地元メディアからは「シーズン後半のレヴェラシオン(新発見)」「トロワの原石」と評された。
「ヴィス・パヴロヴィッチ」としての期待
ミランは獲得発表時、「技術、フィジカル、人格を兼ね備えた将来性豊かな左利きDF」と紹介した。両国メディアが繰り返し挙げる持ち味は、左足から繰り出すビルドアップとロングフィード、190cmの長身を生かした空中戦、そして年齢に似合わぬリーダーシップだ。
一方で、俊敏な切り返しや戦術理解の細部はまだ発展途上で、セリエAの強度に慣れるまで時間を要するとの見方も伝えられている。
イタリアメディアの間では、同じ左利きの長身CB、ストラヒニャ・パヴロヴィッチとの共通点を指摘する声が多い。
ビルドアップ能力とセットプレーでの得点関与という点でプロフィールが重なることから、「ヴィス・パヴロヴィッチ(パヴロヴィッチの控え)」という表現も見られる。パヴロヴィッチが194cm、ディアワラが190cmと、フィジカルの土台も近い。すぐにポジションを争う存在というよりは、まずバックアップとして経験を積みながら、控えから主力への成長曲線を描けるかが焦点になりそうだ。
本人が語った加入の喜び
移籍金についてはクラブ公式から金額の発表はなく、報道によると200万〜300万ユーロ前後(ボーナス込み)だ。
加入決定を受け、ディアワラ本人は次のようにコメントしていた。
「サン・シーロを初めて目にする日は一生忘れないと思う。ロッソネロのファンやチームメイトと会うのが待ちきれない。ボールと共に生まれたようなものだから、ピッチに立つたびに200%を出すつもりだ」
トロワ側の地元メディアも、この巣立ちを惜しみながら見送っている。『レ・ヌーヴェル・デュ・フット』は彼を「トロワの大きな希望の一人」と表現していた。
ミランでの立ち位置
当初、ミランはミラン・フトゥーロで経験を積ませる方針だったとされるが、前述のような特長を持つことから、ルベン・アモリム監督の要請を受けて、まずはトップチームに帯同することになる。
ここでパブロヴィッチの控えが務まることが証明できれば、フランス2部の「原石」はトップチームで磨かれていく可能性がある。
一方、トップチームに帯同しながらも経験を重ねることができないような状況が続けば、成長を止めてしまう恐れもあるだろう。
ミランは、この夏に獲得した才能をどう扱い、本人がどのような成長曲線を描くのか。今後に注目したい。

