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ボバン「スカローニにはサッカーにかかわるべきじゃない」フルラーニには助言、イブラの現状には悲しさも

ベナセル獲得の舞台裏も語る

元ミランのズボニミール・ボバンが、YouTubeチャンネル『Milan Hello』でのロングインタビューに応じ、クラブ幹部として在籍していた当時の内幕を赤裸々に語った。13日にその後編が公開され、さらに深く掘り下げている。

●前編の内容はこちら

ベナセルは過小評価されすぎている

ボバンは、1月にクラブを去ったイスマエル・ベナセルについて、自身の見解を語った。

「ベナセルは非常に過小評価されている選手だ。君もそうだね。なぜなら彼のことを理解していなかったからだ。君はベナセルのどこが気に入らないんだ?」

ベナセルは自らの意思でミランを去ったのではないか。

「なぜなら、あらゆる形で叩かれていたからだ。ベナセルは並外れた選手で、過小評価されている。彼がミランにもたらしたものは本当に特別だった。我々がベナセルに対して下した決定を擁護するつもりはない。ベナセルは、出場時間あたりで世界で最も多くボールを奪う選手だ。ボールタッチ数も非常に多く、常にプレーに関与している。どうして人々がそれに気付かないのか、私には分からない」

ケガの影響で本来のコンディションに戻れなかったことも、彼がチームで不可欠と見なされなくなった理由の一つだ。

「そう、ケガ明けには元の状態に戻るまで時間がかかる。ほかの選手には時間が与えられて、彼にはそうではなかった。彼は自分をうまく表現できない、内向的で徹底した兵士のような人間だ」

ボバンが興味を持ったのは、マルコ・ジャンパオロとクリスティアーノ・ロナウドだという。

まずジャンパオロが『ベナセルを取るべきだ』と言ったのがきっかけだった。彼をチェックしていたら、クリスティアーノ・ロナウドがイタリアの好きな選手について語っていて、エンポリの背番号10のことを挙げていた。名前すら思い出せずにね」

「それを聞いた時、『他人をあまり褒めないロナウドがこんなことを言うなんて』と思い、その試合を見た。驚くほどだった。彼はユヴェントスを一人で打ち負かした。あの時は10番だったが、とんでもないパフォーマンスだった。だが、彼にはまだ整理が必要で、安定させる必要があった。ポジショニングや展開の仕方すら知らなかった。我々はそこに取り組んだ。そして彼がアーセナルの下部組織にいたと知り、ヴェンゲルに電話をかけた。ヴェンゲルはこう言った。『ズボーネ、戦争に行くとき世界で誰か一人選べと言われたら、私はイスマエルと行く』とね。それを聞いて、可能性を感じて彼を獲得した。すぐにプレーさせるためではなく、手をかける必要があった。彼はボールだけを見ていた、下がった位置の10番だった。だが、彼は8番としてもプレーでき、実際にアフリカネイションズカップではMVPを受賞したのは6番ではなく8番としてだった」

パオロ・スカローニは「サッカーにかかわるべきではない」

パオロ・スカローニ会長のことは酷評した。

「サッカーには関わるべきでない人物だ。これまで得てきた権力や地位のせいで、自分自身に深く問いかけることもなく、『自分がそこにいるべきか』”と自問することがなかったのだろう」

「利害の方向に流れていくのは当然かもしれないがミランに関しては? 何の関係もない。とはいえ、彼は優れた経営者であり、ビジネスの世界では大きな成功を収めた人物だ。私も彼の人生を追っていなかったし、彼も私の人生を追っていなかった。かつてレーガ・カルチョに行かなければならなかった時、彼は都合がつかなかった。スタジアムで、私は彼を一定の距離で“あなた”と呼んでいたが、マルディーニは『パオロ、ズボーネはここ数年ずっと制度の仕事をしてきて、レーガを熟知している。こういうことが得意なんだ』と話した。そしてスカローニはこう言った。『では、あなたの履歴書を送ってください』だって(笑)」

本当に履歴書を求められたのか?

「その場で彼を罵って、『あんた、何しにサッカー界に来たんだ?』と言ってオフィスから追い出した。彼は『君が人生で何をしてきたかなんて知る必要があるのか?』と返してきた。彼は自然な感じでそう言っただけで、悪気すらなかったと思う。その時は瞬間的に腹が立って行動したが、怒っていたわけではない。これが私のスカローニ評だ」

ジョルジオ・フルラーニは「真のミラニスタ」だが…

ジョルジョ・フルラーニCEOの評価はどうだろうか。

「フルラーニはミラニスタだ。それも本物のね。ただし、彼なりのやり方だ。彼は異なる形で育った。彼は数学者であり、ファンドのビジネスマンであり、それが彼の物事の見方だ。我々にとってミランが何を意味するかを彼はうまく区別できない」

「しかし、彼は生涯ミランを応援してきた。私は彼を以前から知っているし、それは問題ではない。彼には宗教的に従う上司がいて、情熱、スポーツ、サッカー、ミランが普通の人々にとって何を意味するかを忘れてしまっている。そこには到達できない。彼はマネジャーとして非常に四角四面で、それだけだ。彼はサッカーを理解していない」

「彼はサッカーを理解する人々に囲まれるべきだが、多くを理解していた人物を追い出した。彼もまた、自問自答し、ミランのために何が最善かを理解すべきだった。マルディーニとマッサーラはミランの財産だった」

「そして彼は、モンカダがすべてを知っていると思っている。それが問題だ。彼にとってはスカウティングだけで十分だ」

ミランは現在、スポーツディレクターを探している。それがクラブ再建につながるだろうか。

「もしスポーツディレクターが任命されても、完全に閉ざされ、型にはめられ、野心のない
仕事にされるだろう。歴史を変えるような重要な役割を持つとは思えない。むしろ、クラブの代表としての役割を持ち、チーム、監督、クラブの間に立ち、すべてを守るべきだ。それがディレクターの役割だ」

「スポーツディレクターの役割は非常に重要だが、彼らはそうは見ていない。ジョルジョにとっては、優れたスカウトであるモンカダが選手を選べばそれで十分だ。スポーツディレクターの他の仕事は重要だとは思っていない。そうでなければ、数カ月前にすでに任命されていただろう」

ズラタン・イブラヒモビッチの立場はいまだによく分からない。

「私は残念に思っている。私は彼をとても大切に思っているし、特に彼が戻ってきたときと、ミランに与えたもののために、彼をいつも大切に思っている。私はこの点では変わらない。彼は私のサッカーの兄弟のような存在だ。

「彼が今していることは、我々が思っていたイブラヒモビッチとは違う。彼が誇り、尊厳、勇気を持っていると宣言するなら、すぐに去るべき。すぐに、だ。私が思っていたすべてはどこに行ったのか?私はとても残念に思っている。それは彼自身にも良くないし、誰にも良くない。彼は素晴らしい選手であり、ミランに多くを与えてきた。我々はそれを成長と見ることができるし、サッカーが与える明確さを失ったことによる混乱とも見られる。それは理解できるが、彼が正しい結論に達し、真に成長することを願っている」

いまでは、まるでインフルエンサーのような振る舞いを見せている。

「彼はミランの幹部ではなく、レッドバードの一員だ。彼は組織図にはいない。冗談だよ(笑)。彼は自分が何者であったかを守れていない。それが私を悲しませる。しかし、考えなければならないし、学ばなければならないし、読まなければならないし、他人のことを考え、自分自身に取り組まなければならない」

カルディナーレには一言

オーナーであるジェリー・カルディナーレについては一言。「全く興味がない」と答えた。

マルディーニは苦しんでいる

ボバンとパオロ・マルディーニのミランへの愛情は、今も変わらない。

「いまのミランについても彼と話すよ。パオロは苦しんでいる。彼が苦しんでいるのを知っている。それは辛いことだ。しかし、彼はミランに非常に強く結びついている。彼は真のミラニスタとして生まれた。私は途中からミラニスタになったが、彼のように生まれた人々とは全く異なる。それを理解している」

「私はディナモ・ザグレブのファンとして生まれた。ミランを深く愛し、尊敬しているが、象徴やバンディエーラは別のものだ。パオロはそれをすべて感じている。彼はミランに人生を捧げた。先日、私は彼に言った。最終的には幸せであるべきだと。戻るか戻らないかは分からないが、彼はミランでの物語を完結させた。選手としては言うまでもなく、今や幹部としてもね」

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