大物代理人が舞台裏を明かす
代理人のフェデリコ・パストレッロが10日、『スポルトメディアセット』のインタビューに応じ、自身が代表を務めるエージェンシー「P&Pスポーツマネジメント」のことや、シモーネ・インザーギのアル・ヒラル行きなど、様々なテーマに触れた。
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「我々P&Pスポーツマネジメントにとって、記録的な成果を上げた時期となった。私が代表をして29年目だが、移籍件数は過去最多、動いたお金としても過去2番目だった」
「1月から6月で66件の移籍を成立させ、40人以上の女子選手の移籍も手がけた。移籍の総額は3億ユーロを超える。ボーナス抜きでだ。クラブと選手の国籍としては20カ国以上に及ぶ。この活動の幅こそ、私が当初から目指してきたものだ」
「世界でも有数のエージェンシーに成長したという自負がある。だからこそ、常に自分たちを超え続けることが課題だ。現状を維持しながらも、自分たちのDNAである誠実さ、透明性、人間性を欠くことなくやりたい」
「むやみに顧客を増やすことなく、我々は選ばれた選手だけを扱いたい。本当に信頼している選手、正しい指導のもとで本来の力を発揮できるような選手にフォーカスしている」
最近の成功例はヨヌーツ・ラドゥとの歩み
「メルカートはまず人で成り立つ。最近で一番満足している案件を聞かれたら、意外に思われるかもしれないが、ヨヌーツ・ラドゥを挙げたい」
「彼が私と契約したのは2024年末、インテルのプリマヴェーラで練習していた頃だった。GKはなかなか需要がないポジションで、冬の移籍市場最後の週末になっても何のオファーもなかった。彼に『奇跡が必要だ』と伝えたが、まさにその奇跡が起きて、4人のGKに負傷が発生した」
「その中にヴェネツィアのフィリップ・スタンコビッチも含まれており、最終的にラドゥが移籍することになった。5カ月間、彼はヴェネツィアで全力を尽くしたが、チームを残留させるには至らなかった。それでも今夏、セルタで4年契約を結んだ。現在はヨーロッパリーグにも出場し、代表復帰も果たしている」
インテルからサウジアラビアへ渡ったシモーネ・インザーギ
インテルで順風満帆だったシモーネ・インザーギのアル・ヒラル行きも、パストレッロが手がけた。
「一番話題になった移籍は選手ではなく監督だった。チャンピオンズリーグ決勝で敗れた直後にインテルを離れたシモーネ・インザーギの件だ」
「ファンの間では困惑もあったと思うが、あの移籍は4日で終わるようなものではなく、裏では多くの準備があった。実は以前からこの種のチャンスには接触していたが、本人はある条件が整うまでは交渉の詳細に入ろうとはしなかった」
「彼は『もしチャンピオンズリーグで優勝していたら、絶対にインテルから離れなかった』と打ち明けてくれた。決勝後、インテル首脳陣との面談を経て決断したことは間違いない。当然ながら水面下での準備もあったが、経済的要素も重要だった。一方で、彼自身が国外で挑戦したいという思いも強く、サウジリーグは経済力だけでなくリーグとしての質も世界屈指で、アル・ヒラルはアジアで最も重要なクラブだ」
ナポリの柱であるロメル・ルカク
ロメル・ルカクも、パストレッロが扱っている大物だ。
「現在は負傷中だが、ベルギーからの情報によれば、アントニオ・コンテのために復帰を早めようとしているとのことだ。彼を知る人なら驚かないだろう。意思が強く、プロ意識の塊だ」
「今は以前より強くなって戻るための準備をしている。こうしたケガは選手にとって転機にもなりうる。身体的にも精神的にもリセットする機会になる。彼はチームのために貢献したいという強い思いを持っている。不運なスタートだったが、まもなくコンテには新たな武器が加わるだろう」
インテルの若返りにも影響?
パストレッロは、インテルのベテランDF、ステファン・デ・フライとフランチェスコ・アチェルビも担当している。
「彼らはそれぞれ35歳、37歳だが、今もインテルの柱だ。今季は昨季よりもローテーションがはっきりしているが、2人ともユニフォームが体に馴染んでいる選手たちだ」
「ステファンは長年インテルに在籍しており、今夏に移籍のチャンスがあったが、残留を選んだ。アチェルビは在籍期間は短いが、すでにファンの心をつかんでいる。彼らは来年4月に契約更新について話し合う予定で、残りたがっているのは間違いないが、様々な要素が影響する。現時点でインテルにとっては非常に贅沢な選手たちだ」