すでに亀裂は修復済みか
インテルのハカン・チャルハノールは、夏にガラタサライへの移籍が噂になったが、すでに気持ちを切り替えているようだ。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は16日、同選手の現状や、ガラタサライ移籍の“ウラ”に言及した。
インテルは来週からプレシーズンのトレーニングを始める。チャルハノールはオフの期間もマルコ・アルナウトビッチとともに自主練習に励んでおり、FIFAクラブワールドカップで問題があったふくらはぎのケガも、すでに癒えている。
ラウタロ・マルティネスとの騒動も、クラブの働きかけもあって大きな問題にはならず、チーム内ではすでに沈静化しており、ジュゼッペ・マロッタ会長は「チャルハノールは我々の選手。招集され次第、すぐに戻ってくる」と話した。
「移籍市場において絶対はない」と前置きしつつ、『ガゼッタ』は「チャルハノールが一度もインテルからの退団を要求しなかったことが重要」とし、「愛国心に基づく誘惑は現実の前に消え去った」と記した。
ガラタサライの狙いは別にあった?
しかし、この一件でチャルハノールがガラタサライからのオファーを“待っていた”とする声もあり、そう感じ取っていた人は少なくない。インテルへの敵意を向けることなく、静かにガラタサライの動きを待っていた節はあるものとみられる。
だが、トルコからイタリアにやってきたアブドゥラ・カブクチュ副会長は、わざわざピエロ・アウジリオSDと会談したものの、具体的なオファーを出すわけでもなく、すぐに撤収した。
そもそも、中盤の補強はガラタサライにとって最優先事項ではなく、ナポリのヴィクター・オシメン獲得にいくら投じられるかが最も重要なポイントだった。
この騒動の背景には、「政治的な狙いがあったのではないか」と『ガゼッタ』は指摘する。ガラタサライは、トルコで特に政府色の強いクラブとして知られている。クラブ幹部は政府関係者と密接につながっており、エルドアン大統領も幼少期からのガラタサライファンである。
トルコで圧倒的な人気を誇るチャルハノールの獲得に動くこと自体、ガラタサライの評判を高め、ひいては政権の支持にもつながるという目論見があったのではないかという。
ガラタサライにそのような狙いがあったかどうかが明らかになることはなさそうだが、チャルハノールがインテルでキャリアを続けることはほぼ確実になった。新シーズンを良い状態で迎えられるかに注目だ。