「有利なら引っ込める」を徹底
インテルのシモーネ・インザーギ監督のマネジメントに注目が集まっている。『FcInterNews』は、アレッサンドロ・バストーニの抜群のコンディションが、指揮官の緻密な管理によるものだと分析している。
今季のバストーニは、セリエAで15試合、UEFAチャンピオンズリーグで5試合、コッパ・イタリアで1試合に出場している。しかし、意外なことにフル出場は少ない。インザーギ監督がリード時に残り20~25分でバストーニを交代させる方針を徹底しているためだ。
セリエA第17節コモ戦では負傷離脱者が多かったためフル出場となったが、それ以前の6試合では接戦だったナポリ戦を除き、エンポリ戦(65分交代)、ヴェネツィア戦(70分交代)、エラス・ヴェローナ戦(62分交代)、パルマ戦(75分交代)、ラツィオ戦(63分交代)と、早い時間に交代している。
これにより、実質的に4試合に1度は休養を与えられているような出場時間となっており、コンディション維持に役立っているようだ。
偶然で片付けない手法
インザーギ監督はインテル指揮官就任当初から警告を受けた選手を早く交代させるという手法をとっている。これは各方面から批判されたが、いまではほかにも多くの監督が採用しているリスク管理だ。
バストーニの早期交代もこの手法に通じる。不動のレギュラーを使い続けるため、試合を有利に進めているときには主力を早めに下げる方針を徹底しているのだ。2度の警告による退場や過密日程によるコンディション不良を“運が悪い”で片付けず、その原因を事前に排除する――これがインザーギ流であり、いまその成果が明らかになりつつある。