レッチェ戦で今季セリエA初出場
インテルは2023年3月5日のレッチェ戦に快勝した。この一戦で今季初の出場機会を得たのが、当時20歳のマッティア・ザノッティだ。インテルが期待する右サイドバックは、2023年夏にインテルを離れてスイスのザンクト・ガレンで経験を積む旅に出た。そして、充実の1年間を過ごしたあと、スイスのルガーノに完全移籍で加わることが決まっている。インテルが育てた右サイドバックはどんな選手なのだろうか。(2024/7/14最終更新)
プロフィール
マッティア・ザノッティ(Mattia Zanotti)
生年月日:2003年1月11日(20歳)
国籍:イタリア
ポジション:右サイドバック
身長:173cm
これまでのキャリア
ミランから電車で1時間ほどのブレッシアに生まれたザノッティは、ブレッシアの下部組織でカルチョを学んだのち、2017年にインテルへ移籍。U-15からインテルでのキャリアを始めた。
インテルでは1年目からその世代のスクデットを獲得。順調に成長を続けると、2020/21シーズンはU-18チームからプリマヴェーラに昇格した。当初はベンチを温めることが続いたものの、シーズン後半戦は不動のレギュラーになっている。
その活躍はシモーネ・インザーギの耳にも届き、トップチームの練習に呼ばれることもしばしば。2021年12月12日のカリアリ戦では、4-0でリードしている局面で試合終盤に投入され、セリエAデビューというご褒美をもらった。
その後はなかなか出番を得ていないが、2022/23シーズンはコンスタントにベンチ入りしており、3月5日のレッチェ戦でようやくミステルから声が掛かった。
この試合の直後には、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』がインテルがザノッティをレンタルに出さないことも視野に入れているという記事を掲載している。
2022/23シーズン終盤、ザノッティはU-20イタリア代表の一員としてU-20ワールドカップに出場。決勝まで勝ち進んだチームの主力として奮闘した。
国際舞台を終えたあとはインテルとの契約を更新しつつ、レンタルの交渉を開始。スイスのザンクト・ガレンで経験を積むことになった。スイスといえば、クラブは違うが、若くしてインテルを離れてチューリッヒで飛躍したウィルフリード・ニョントが成長した舞台。良い経験をして帰ってくることが期待されている。
2023/24シーズンはザノッティにとってプロとして実質初のシーズンだったが、スイスで見事な活躍を続けた。ザンクトガレンではリーグ戦35試合に出場して3得点5アシストを記録し、同リーグのシーズンベストイレブンに選出されている。2024年夏、スイスのルガーノに完全移籍で加わることが発表された。
プレースタイルや特徴
インテリスタたちの期待が否が応でも膨らむ理由は、ザノッティという苗字もある。「Zanotti」と「Zanetti」。真のカピターノであるハビエル・サネッティ現副会長と一文字違い。偶然だとしても、運命めいたものを感じずにはいられないファンは多いだろう。
実際、そのプレースタイルはサネッティを彷彿とさせる。運動量やフィジカルといったものに長けていたカピターノについたあだ名は「イル・トラットーレ(トラクター)」。この特長はザノッティにもあてはまるもので、『ガゼッタ』などは、「新たなトラクター」だと紹介している。
ザノッティ本人もレジェンドに対する憧れを隠していない。「僕のアイドルはずっと彼だった。でも、比較なんておこがましい」と、デビュー戦後に語っていた。
さらに、戦術的な器用さもあると『スカイ』は指摘している。プリマヴェーラでは4バックの右サイドがメインだったが、インサイドハーフやサイドハーフ、ウイングバックをこなす柔軟性がある。2021年のデビュー戦では、アシストがついてもおかしくなかった。右サイドから丁寧なラストパスを入れてチャンスを演出したが、アレクシス・サンチェスのシュートはクロスバーに嫌われている。