アタランタ対ユヴェントスでクルヴァが問題チャント
アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の発言が話題を呼んでいる。『トゥットスポルト』などが取り上げた。
アタランタは7日に行われたセリエA第34節でユヴェントスと対戦し、0-2で敗れた。この試合では終盤にアタランタのクルヴァからユヴェントスのドゥシャン・ブラホビッチに対して差別チャントが起こったことが問題となっている。
この問題について、試合後、ガスペリーニ監督は『DAZNイタリア』や『スカイ』で次のように語った。
「アタランタにはパシャリッチ(クロアチア)、ジムシティ(アルバニア)がいて、少し前にはイリチッチ(スロベニア)やシュタロ(クロアチア)がいた。我々には多くの民族がいることになる」
「全てが人種差別ではなく、時には個人に向けられている。人種差別というよりもマナーの問題だと思う。民族全体を指しているなら、パシャリッチも侮辱されているということだ。スタジアムではそういう侮辱が何度もある」
「人種差別は多くの人を巻き込む深刻なことで、もっと悪質だ。もちろん私は人種差別に反対で、闘うべきだとも思う。しかし、それとこれとを混同してはいけない」
問題解決の道は?
この発言は「人種差別軽視」ともとられており、話題になっている。『トゥットスポルト』は、このコメントを受けて、スタジアムでの人種差別との向き合い方に触れた。
同紙は、一部ユヴェントスファンが行ったインテル戦でのロメル・ルカクに対する差別行為についても言及し、「人種差別は不運をもたらすというのが現実だ。そのことを愚か者たちは考慮すべきだろう」と、“する側”に警告した。アタランタはブラホビッチにジプシーとチャントをしたあとでそのブラホビッチにゴールを奪われて勝負を決められた。ルカクのときも、ユヴェントスはゴールで罰せられている。「審判や裁定の前にも、カルチョの神様が正義を司っていると思うべきだろう」と切り出した。
より具体的なことにも触れており、ガスペリーニ監督の言わんとしていることを受け入れながらも、より厳格に対応すべきだと主張している。
「真実のさらに真実は、人種差別は完全なる悪であり、全方位から取り除かなければいけないということだ。たとえば今、アタランタのファンクラブやスタジアム、クルヴァを犯罪者とするのは、無駄であるだけでなく、有害でアンフェアになる」
「人種差別の責任者を消し去る必要はなく、ルカクを侮辱した者をそうしたように、実際にやった者を一人ずつ取り上げ、適切に罰する必要がある。集団的な処罰は責任を不明確にして消滅させる。なぜなら、いつも中心にいるのは罪のない人だからだ」
「『アラタンタは人種差別主義者だ』と一括りにすると、何十万人ものアタランタファンが悪者になる。そうでない。どのクラブを好むかに関係なく、賢い人間と愚か者でしっかり線引きして非難することで、抜け出すことにつながる」
「人種差別は、レフェリーの誤審どうのこうのや監督解任といった調子で議論するようなものではない」
「残念ながら、道のりはまだ長い。それでも一歩ずつでもゴールに向かうことできる。その道を歩こうとしている人たちと一緒に進む準備はできている」
イタリアはそろそろ解決に向けた一歩を踏み出せるだろうか。