ミランやユヴェントスも注目する期待のイタリア代表DF
イタリア代表は6日、FIFAワールドカップ欧州予選でノルウェー代表と対戦する。この試合で特に注目を集めている選手の一人がエラス・ヴェローナのディエゴ・コッポラだ。
コッポラは21歳の若手だが、すでにセリエAで81試合に出場しているセンターバック。今回のイタリア代表は、フランチェスコ・アチェルビの代表辞退でノルウェー代表のアーリング・ハーランドをどう抑えるかが注目されており、その大役をコッポラが担う可能性が高い。
A代表デビューという夢の舞台が迫るコッポラとはどんな選手なのか、そのキャリアを紹介する。
プロフィール
ディエゴ・コッポラ(Diego Coppola)
- 生年月日:2003年12月28日
- 国籍:イタリア
- 身長:193cm
- ポジション:センターバック
- 利き足:右足
これまでのキャリア
コッポラはイタリア人の父とオランダ人の母の下、2003年にヴェネト州ヴェローナのブッソレンゴに生まれた。
エラス・ヴェローナの下部組織で育ち、2021年12月15日に17歳でイゴール・トゥドール監督に評価されてコッパ・イタリアでトップデビュー。翌2022年1月にはセリエAデビューを果たす。2022/23シーズンはケガにより3カ月程度の離脱もあったが、復帰後は評価を高めた。2024/25シーズンは不動のレギュラーに定着し、カンピオナートで34試合に出場。パルマ戦とレッチェ戦で得点を挙げ、残留の原動力となった。
シーズンを通しての活躍が評価され、5月にルチアーノ・スパレッティ監督から声がかかり、イタリア代表に初招集。各世代別代表を経験してきたが、ついにA代表デビューが迫っている。
「プロなんて考えてなかった」
コッポラは決してエリートではない。2025年3月、『クロナケ・ディ・スポリアトーイオ』のインタビューで幼少期に触れた。
「13歳まではほとんど試合に出られなかった。毎年監督が変わって、スタイルも違い、成長具合で出られなかったりする。身体的にもまだまだで、サッカーで落ち込むことは多かった。セリエAなんて考えられなかったし、夢ではあったけど、プロなんて現実的には考えていなかった」
「それが変わったのは15歳か16歳の頃。少しずつチャンスをもらえるようになった。だから、育成の子たちに『いま試合に出られなくても、明日には変わるかもしれないよ』って伝えている」
「11歳のときにすごく有望視されていた仲間が、プリマヴェーラにも上がなかったなんてこともあれば、僕みたいに全く出ていなかった選手がこうしてセリエAでやることだってある。僕の場合は15歳のときに、信頼してくれる監督に出合えたことが大きい。そこから一気に変わったんだ」
プレースタイル
身長193cm・体重90kgという体格に恵まれたセンターバックだが、フィジカルバトル一辺倒というわけではなく、アグレッシブというよりは冷静沈着な守備職人タイプ。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は3月に『小さなレオナルド・ボヌッチ』と表現していたことからも想像できるように、注意深く相手のアクションを先読みして動き、クリーンにボールを奪いきることを得意とする。
また、ビルドアップ能力にも優れており、後方からのゲームメイクを担える。インテルのアレッサンドロ・バストーニほどではないとしても、精度の高いキックを蹴れることも現代サッカーにおいて大きなアドバンテージと言えるだろう。
マメ知識
- イタリアで生まれ育ったため、母の母国語オランダ語はあまり話せないという。
- U-21オランダ代表と対戦した際、「オランダ代表から招集されたら?」との質問には「様子をみよう」と返答するにとどまった。
- ユヴェントス、ミランなどが獲得に興味を持っているのに加え、イングランドからはブライトンも獲得を狙っている様子。ユヴェントスは特にジョルジョ・キエッリーニが高く評価している(2025年6月『Arena』)
- かつてヴェローナでプレーしていたジョバンニ・シメオネ(現ナポリ)は、対戦したくない選手にコッポラを挙げたことがある。これについてコッポラは「(当時の監督である)トゥドールがとにかくアグレッシブさを求めていた。だからマンマークで後ろからガンガン行っていたんだ。シメオネは素晴らしい選手で、今季(2024/25シーズン)対戦したときもずっとマークしたけど、全く文句は言われなかったんだ。17歳でトップの練習に参加していたときも、普通は『ちょっと手加減しろよー』みたいなことを言われるんだけど、彼は『おう、もっとガツガツこい!』って鼓舞してくれたんだ」と語っていた。(『クロナケ・ディ・スポリアトーイオ』)