「両親に家を買いたい」カタンザーロで輝く19歳が語った夢と、ロッソネロへの決意
ミランは冬のメルカート最終日となる2月2日、エラス・ヴェローナからアルファジョ・シセを完全移籍で獲得したことを発表した。
移籍金は800万ユーロ+ボーナスで総額約1000万ユーロに達すると見られ、2025/26シーズン終了まではレンタルの形で現在プレーしているセリエBのカタンザーロに留まることとなった。
PSVとの争奪戦を土壇場で制し、獲得に成功したこの19歳の攻撃的MFは、一体どのような選手なのか。
イタリアメディアでの評判や本人の『レプッブリカ』に対するインタビューをもとに、そのキャリアや特徴を紹介する。
プロフィール
アルファジョ・シセ(Alphadjo Cissè)
- 生年月日:2006年10月22日(19歳)
- 国籍:イタリア(ギニアにルーツ)
- 出身地:トレヴィーゾ
- 身長:181cm
- ポジション:トレクァルティスタ、ウイング、インサイドハーフ
- 利き足:右
これまでのキャリア
イタリア北東部トレヴィーゾで生まれ、ギニア人の両親のもとで育つ。地元のジョルジョーネなどを経て2020年夏にエラス・ヴェローナに加入し、プリマヴェーラでシーズン16得点を挙げる活躍。2024年5月、17歳7カ月のときに、セリエAのインテル戦でトップチームデビューを果たした。
2025年夏からはセリエBのカタンザーロへ武者修行に出ており、ここで才能が開花。第4節のレッジャーナ戦では巧みなボレーシュートで先制点を挙げると、逆転を許したあとの78分に直接FKを決め、強烈なインパクトを残した。
カタンザーロ初ゴールと直接FK弾
試合後の会見でシセは、このFKについて「日ごろからチームメートと一緒にかなり練習しているんだ。だから、あれは努力の成果だと言えるね。この調子で続けていきたい」と振り返った。
2025/26シーズンのカタンザーロは開幕から第8節まで勝利がなかった。第9節パレルモ戦では、シセが決勝点を挙げて初白星を手にし、そこからチームの調子は上向いた。
これらの活躍でチームの信頼を確固たるものとしたシセは、半年で6ゴール1アシストを記録し、U-21イタリア代表にも招集されるなど、セリエBで最も注目される若手の一人となった。
「PSVへの移籍は決まっていた」
今回の移籍劇の裏には、オランダの強豪PSVとの激しい争奪戦があった。シセ本人が『レプッブリカ』のインタビューでその舞台裏を明かしている。
「全てがあっという間だった。実はPSVへ行くことになっていたんだ。もう話はついていた。でも、そこでミランが現れたんだ。疑う余地なんてなかったよ」
彼は「世界で最も偉大なクラブの一つとサインできて幸せ」と語り、ミランからのオファーが到着した瞬間に、オランダ行きを翻意したことを認めている。
「両親に家を買って、仕事を辞めさせてあげたい」
シセの原動力は、工場で働く父と接客業をする母への感謝にある。彼はインタビューで自身の夢についてこう語っている。
「僕の夢は、両親に恩返しをして家を買ってあげることなんだ。早く仕事を辞めさせてあげられるだけの力をつけたい。必ずやり遂げるよ。それが僕にとって一番大切なことなんだ」
プレースタイル
ヤマルと比較されるも「僕は僕の道を行く」
その早熟さとプレースタイルから、バルセロナの神童ラミン・ヤマルと比較されることもあるが、シセ本人は「僕は僕の道を行く」と冷静だ。
アイドルとして挙げたのはリオネル・メッシ、そしてユヴェントス時代のポール・ポグバであり、偉大な先人から学びつつも自身のスタイルを確立しようとしている。
シセのプレースタイルは多面的であり、以下のような特徴がある。
- 万能型アタッカー:本職はトップ下だが、カタンザーロのアルベルト・アクイラーニ監督の下ではウイングやインサイドハーフとしても機能。「攻撃的な役割なら、1対1や仕掛けができるのでどこでも好き」と語る通り、戦術的な柔軟性が高いとされる。
- 決定力とパンチ力:エリア外からのミドルシュートや直接フリーキックを得意とし、今季セリエBですでに6ゴールを記録。狭い局面でのボールコントロールと、そこからの振りの速いシュートが武器だ。
PSVとの争奪戦を制す
ミランがPSVから“強奪”するために投じた額は、固定額800万ユーロ+ボーナスの総額1000万ユーロとされる。これは19歳の選手としては異例の大型投資だ。
獲得後すぐにカタンザーロへレンタルで戻した理由は、選手の成長曲線を守るためである。シセ自身も「あと半年カタンザーロに残れるようにしてくれた」とミランの配慮に感謝を示し、うまくいっている環境でシーズン終了まで主力としてプレーし、万全の状態で夏のキャンプからミランへ合流する計画となっている。
マメ知識
- 弟もサッカー選手:弟のカランバもサッカーをしており、シセは彼を「息子のように可愛がっている」と語った。
- イタリア代表への想い:ギニアのルーツを持つが、U-16から一貫してイタリア代表を選択している。2025年11月にはU-21代表デビューも果たしており、将来のアッズーリ入りを目標に掲げている。
●マテタ、エンクンク、コスティッチ…。モレット記者がミランのメルカートを振り返る
●2026冬メルカート上位陣まとめ:補強でセリエA制覇に近づいたのは?

