ナポリ対インテルを前に引き分けどまり ジラルディーノの心境は複雑
24日に行われたセリエA第8節のミラン対ピサは、2−2の引き分けに終わった。
Mad in Italy|イタリアの“遊び心”をまとうメガネとサングラスの哲学【イタリア企業とコラボ】首位ミランは、コニ・デ・ヴィンターを起用し、今季初めて3バックの構成を変更して昇格組のピサと対戦。開始7分にラファエル・レオンのゴールで先制し、幸先の良いスタートを切った。
しかし、主導権を握りながら追加点を奪えずにいると、後半立ち上がりに反撃に遭う。フアン・クアドラードが放ったミドルシュートがデ・ヴィンターの手に当たってPKとなり、これをクアドラードに自ら決められた。
その後、ラファエル・レオンやアレクシス・サレマーカーズが決定機をつくったものの、勝ち越せず。反対に86分には痛恨の一撃を浴びた。
ピサは中盤からエベネザー・アキンサンミロがロングパスを出すと、ザカリー・アテカメの隙を突いて裏のスペースを取ったムバラ・エンゾラが抜け出してGKマイク・メニャンとの1対1を制して逆転した。
しかし、アディショナルタイムにアテカメが名誉挽回。CKの流れからこぼれてきたボールを持ってロングシュートを放つと、右ポストをかすめる低い弾道のシュートが、ゴールネットを揺らした。
アテカメ「うれしいけど…」
77分からの途中出場で良くも悪くも存在感を放ったアテカメは、『MilanNews』と『スポルトメディアセット』でいずれも6の採点がついた。
試合後のインタビューでは、ゴールシーンについて「うれしかったけど、勝てなかったから、そこまでうれしかったとも言えない」とコメント。「結果には満足していない。ホームで勝つことが大事だったけど、僕たちはあまり良いプレーができなかった」と試合内容を反省した。
モドリッチ「僕が適応しないと」
ルカ・モドリッチは徹底マークを受けながらも、相変わらずのクオリティーを示し、『スポルトメディアセット』でチーム最高タイの6.5の評価を受けた。
自身へのマークについて「僕が順応しなければならない。全体としてもっと良いプレーをしないといけなかった。良いプレーもあったし、多くのチャンスをつくったけど、得点につながらなかった。それでも、自分が適応しなければならないことは確かだ」と語った。
サムエレ・リッチと頻繁にポジションを入れ替えたことについては、「相手がマンツーマンだったから。スペースをつくって相手を混乱させたいと思った。狙いとしてはだいたいうまくいったけど、やはりホームゲームでしっかり勝ちきらないといけない」と述べ、「今日は勝ち点2を落とした。ピサをリスペクトしているけど、ホームだし勝つべきだった」と話した。
アッレグリ「前半終了時点で不安を感じていた」
マッシミリアーノ・アッレグリ監督は試合後の会見で、「強者の落ち着き」が足りなかったと述べた。
「自惚れではない。ただ、先制したあと、思ったより簡単な展開に見えた。その時点で、もっと整然としているべきだった。自分たちは強いチームで、良い選手たちがそろっている。だからこそ、“強いチームの落ち着き”を持っていれば、いずれゴールは生まれる。大事なのはバランスだ」
クリストファー・エンクンクの投入が遅かったのではないかという質問には「シンプルな理由だ。守備で苦しんでいたから、中盤の人数を減らすことはリスクと感じた。チャンスはつくれていたし、こういった試合は些細なところで負ける可能性もある」と答えた。
クリスティアン・プリシッチやアドリアン・ラビオをしばらく欠くミランは、今後苦戦が続くかもしれないが、指揮官は心配しておらず、「リッチもバルテザーギも良いプレーをしてくれた。アテカメはゴールを決めたし、デ・ヴィンターは今日が初のスタメンだ。経験の少ない選手がサン・シーロでプレーするのは簡単ではない」とコメント。その上で、「だから、ちょっとチームとしての一体感が足りなかったのは確かで、前半を終えた時点で正直かなり不安を感じていた」と、嫌な予感があったことを認めた。
ジラルディーノは判定に疑問
セリエA白星を目前で逃したピサのアルベルト・ジラルディーノ監督は、試合後の会見で判定に疑問を呈した。
ミランの2得点は、いずれもミドルシュートによるもの。オフサイドポジションにいた選手がGKの視界に入っていたという意見がある。
ジラルディーノは「1点目も2点目も、GKの前に選手がいた。もしあれが許されるなら、我々もそのルールを活用する方法を考えないといけない」と述べた。
ミラン相手の引き分けという結果については、「結果に腹が立っているのか、内容に満足しているのか自分でも分からない。今夜は我々にとって、大きな勇気と自信をもたらす夜だった」と語った。
ブーイングの中でのゴールを誇るクアドラード
かつてユヴェントスやインテルでプレーしたクアドラードは、PK獲得の抗議などでミラニスタたちの敵になった。プレッシャーの中で決めたPKには喜びを感じており、試合後の会見で次のように語った。
「あと少しで勝てただけに悔しい。強い相手からの白星に手が届きそうだったのにね…。でも、後半見せたようなことができればいいわけで、自信につながる」
「PKキッカーは、僕が出ているときは僕が蹴るようにミステルから言われている。ブーイングは気にならない。狙いを定め、自分のことだけ考える。ブーイングの中で決めるのも悪くない。むしろ最高の気分だね」

