手のひら返しが始まる…?
ミランの冬の移籍は正しかったのだろうか。まだ結論を出すには早いが、少なくとも周囲が期待したほどの成果を上げていないのは確かだ。マルコ・コンテリオ記者が『TMW』のコラムで「4-2-ファンタジーのことは忘れるべきだ」と記した。
ミランの今冬の補強は、イタリアメディアで高い評価を受け、「メルカートの王」と称えられた。特に市場閉鎖間際にサンティアゴ・ヒメネスやジョアン・フェリックスを獲得したことは大きな成果と捉えられている。前線にクリスティアン・プリシッチ、ラファエル・レオン、ヒメネス、ジョアン・フェリックスを並べたUEFAチャンピオンズリーグ・フェイエノールト戦のメンバーは「ファンタスティック4」と呼ばれ、期待を高めた。
しかし、移籍市場の閉鎖から約2週間経ち、その評価は変わりつつある。
同記者は、「4-2-ファンタジーどころではなく、ミランはバランスが欠けている」とし、ミランの補強について、次のように振り返った。
「カイル・ウォーカーは経験と質を兼ね備えた素晴らしい補強だが、ミランがこれまで狙ってきたのとは真逆だ」と、クラブの戦略とは異なると指摘。「サンティアゴ・ヒメネスについてはポジティブな評価しかできないが、ジョアン・フェリックスは期待とは裏腹に、これまでに行く先々で何度もレンタル移籍を繰り返しているということはそれなりの理由があるだろう。ラファエル・レオンのポジションでもプレーするというのも、一抹の不安が残る」と続けた。
さらに「ノア・オカフォーの放出とリッカルド・ソッティルの獲得は、サブ同士の入れ替えにすぎない」、「イスマエル・ベナセルはセルジオ・コンセイソン監督との衝突で出て行った。ウォーレン・ボンドは若く有望だとしても、戦術的にも技術的にもベナセルのレベルには達していない。中盤は補強が必要なポジションだったが、さらに手薄になってしまった。4−2−4どころではない」と一蹴した。
そして、「タイアニ・ラインデルスは好調だが、今後はさらに重心を下げることになるだろう。それでも彼の攻撃性能は変わらない。だからこそ、なおさらバランスの悪さが際立つ。ユスフ・フォファナの運動量とフィジカルを持ってしても、このバランスの悪さをどうにかするには十分ではない。テオ・エルナンデスとウォーカーはどちらも攻撃的なサイドバックで、そのプレースタイルを考えればなおさらだ」と指摘し、今冬の補強が好調だった選手にも影を落とす可能性があると警鐘を鳴らした。
冬の補強が失敗だったと断定するにはまだ早いとしても、ミランが一刻も早く結果が欲しい状況だというのは間違いない。冬の改革を成功にできるかは、チームの働きに懸かっている。