エンポリ戦の重大なミスを指摘
ミランは10日、カーザ・ミランでジョアン・フェリックスの入団会見を行った。同席したズラタン・イブラヒモビッチが、審判団に苦言を呈している。『MilanNews』などが伝えた。
現在イタリアで話題になっているのは、8日に行われたエンポリ戦のジャッジだ。開始8分、カイル・ウォーカーとリベラート・カカーチェが接触したがルカ・パイレット主審はファウルを取らなかった。その際の主審とVARのやりとり(後述)が、さらに議論を呼んでいる。
その後、ミランは後半にフィカヨ・トモリが退場となり、エンポリはルカ・マリアヌッチが退場。試合は2−0でミランの勝利に終わった。
イブラヒモビッチ激怒「ミランに敬意を」
イブラヒモビッチはジョアン・フェリックス入団会見の席を利用して、レフェリーに苦言を呈した。
「選手たちにはいつも審判に礼儀正しく接するように言っているが、ウォーカーのケースでは、私の選手たちがもっと強く抗議しなかったことに驚いている」
「あの場面は完全に制御不能な状況だった。もし最悪の事態になっていたら、ウォーカーは1年間プレーできなくなっていたかもしれない。大げさに言いたくはないが、審判は『もしかしたらイエローだったかも』と言っていた。だが、私にとって大事なのは、イエローかレッドかではなく、試合のコントロールだ。あのプレーは本当に危険だった。あれは、みんなが愛するサッカーの範疇を超えていた」
トモリの退場は、そのファウルの前にオフサイドがあった。正当なジャッジであれば、トモリが2枚目のイエローカードを受ける必要はなかった。
「我々にとって、これは受け入れられない。AIA(イタリア審判協会)に正式に書簡を送るつもりだ」
「この試合では2つの重大な誤審があり、その結果、試合の流れも大きく変わった。本来、相手チームが10人になるべきところを、こちらが10人でプレーする羽目になったんだ。ウォーカーはプレミアリーグ出身だから大袈裟なリアクションを取らないのは理解できる。しかし、だからといって審判が彼のリアクションを基準にして判断するべきではない。ミランに対する敬意が必要だ。私は審判を批判したいわけではない。しかし、これは今回が初めてではない。だからこそ、私はただ一つ求める。ミランへの敬意と、選手たちへの敬意だ」
パイレットとVARのやりとり
『DAZNイタリア』の番組では、ウォーカーとカカーチェの接触について取り上げた。AIAのエレニト・ディ・リベラトーレを交えて分析している。
審判団の会話は次のようなものだった。
パイレット主審「どういう形で入ったか確認してくれ。私には軽い接触に見えるんだが……」
VAR室(セッラとキッフィ)「足が伸びている。足裏が出ている。(映像の角度を変えてチェックしながら)強い接触ではないが…。通常の速度で見ると、これはちょっと危険だ。カカーチェの足はどうだろうか。足を残して、そのまま踏み込んでいる。もしかすると守備側の足が滑っているかもしれないが、地面に完全についてはいない……。どうする?」
パイレット主審「チェック・オーバー」
パイレット主審とVARの意見が一致しないままプレーが再開するというお粗末なやりとりだったが、これを確認した上でディ・リベラトーレは、「結論から言うと、VARが介入しなかったのは正しい判断だ。なぜなら、強度が足りないから。『見た目の印象が悪い』プレーであったとしても、VARによる介入が必要なレベルではない。イエローカードが妥当な判定だっただろう」と解説した。