メルカートの最後に大暴れ。セルジオ・コンセイソンの4−4−2が誕生へ?
2月3日に冬のメルカートが締め切られた。特に大きな動きがあったチームの一つがミランだ。この移籍市場を経てチームがどう変わったのかを改めて確認する。
パウロ・フォンセカ前監督体制では中盤の補強が急務とされていたミランだが、年末にセルジオ・コンセイソン監督が就任してから状況が一変。スーペルコッパ・イタリアーナ優勝後に、補強が本格的に動き出した。
ミランがまず狙ったのは、マンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードだったが、こちらは成立せず。EU圏外枠を消費しなかったため、カイル・ウォーカーを迎えることができた。右サイドバックはミランのウィークポイントとされていたため、この補強はプラスと言っていいだろう。ただ、放出候補となっていたエメルソン・ロイヤルはケガで離脱となり、移籍の話が消滅。最終日にダヴィデ・カラブリアがボローニャへ移籍した。
その後、ノア・オカフォーのライプツィヒ移籍がメディカルチェックで問題が発生して破談になると、しばらく市場での動きはおとなしくなった。
コンセイソン監督のチーム作りが進む中、一部選手との対立もあったと報じられた。一方で、ストラヒニャ・パブロビッチのように、これまで出番がなく放出候補とされていた選手が活躍するなど、目まぐるしい1月を過ごしたミランだが、移籍市場終盤にはさらに大きな動きが待っていた。
フェイエノールトのサンティアゴ・ヒメネスに照準を絞り、交渉を重ねると、選手側の希望もあって取引が成立した。一方で、昨夏加入のアルバロ・モラタがトルコのガラタサライへ移籍。シーズン途中にエースがかわることになった。移籍市場最終日には、チェルシーからのレンタルでジョアン・フェリックスを獲得し、一気に前線が変わった。
また、クビチャ・クバラツヘリアの後釜探しが難航していたナポリは、移籍市場最終日にオカフォーを獲得。これを受けて、ミランはフィオレンティーナからリッカルド・ソッティルを獲得した。
さらに、移籍市場最終日にはイスマエル・ベナセルが希望する形でマルセイユ行きとなり、モンツァからウォーレン・ボンドを迎えている。ボンドはシーズン前半から獲得の可能性が伝えられていただけに、フォファナの負担を軽減する活躍が期待される。
コンセイソン監督は、以前から4−4−2で戦うことを希望しながらも、ミランの陣容とこれまでの戦い方から、4-3-3、もしくは4−2−3−1のシステムを継続してきた。
だが、メルカート閉鎖間際のドタバタの中で、以下のようなシステムを敷くことが可能になった。現在8位のミランは、来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得するため、大胆な動きに出た。
一見すればパニックバイだが、シーズンが終わる頃に大絶賛されている可能性もある。『TMW』は補強採点でセリエA20チーム中最高評価の「8」を付け、「メルカートの王」と称賛した。短期的には不安要素も多いが、コンセイソン監督の戦術に適した補強とも言える。この決断が吉と出るか凶と出るか、後半戦が楽しみだ。
2024/25冬の主な移籍
加入
- サンティアゴ・ヒメネス(FW)←フェイエノールト
- ウォーレン・ボンド(MF)←モンツァ
- ジョアン・フェリックス(FW)←チェルシー
- リッカルド・ソッティル(FW)←フィオレンティーナ
- カイル・ウォーカー(DF)←マンチェスター・シティ
放出
- アルバロ・モラタ(FW)→ガラタサライ
- ノア・オカフォー(FW)→ナポリ
- イスマエル・ベナセル(MF)→マルセイユ
- ダヴィデ・カラブリア(DF)→ボローニャ
- ケヴィン・ゼローリ(MF)→モンツァ