カルディナーレが掲げる「賢く勝つ」に異論・反論
ミランのオーナー、ジェリー・カルディナーレに対して、厳しい意見が相次いでいる。『MilanNews』などが23日に取り上げた。
先日、ハーバード・ビジネス・スクールがミランを題材とした資料を発表した。その中でミラン幹部陣のインタビューが紹介されており、オーナーのカルディナーレもコメントを残している。買収に至るプロセスから、サンドロ・トナーリの売却、ズラタン・イブラヒモビッチの幹部就任、ジョルジョ・フルラーニのCEO選出など、さまざまなテーマに触れた。
その中でミランでのプロジェクトについて同オーナーは、「ミランをアメリカ化しようとしているわけじゃない。建設的な方法でミランをネクストレベルへ引き上げるために、アメリカの要素を導入したい」と述べ、「スクデットは重要な目標だが、『賢く勝つ』こととのバランスが大事だ。インテルは昨季優勝したが、その後破産した」とインテルではなく、前オーナーの蘇寧グループを指した発言をしている。
また、フルラーニCEOは、パオロ・マルディーニのディレクター退任について、「彼を手放すことは、クラブや彼の権威性にとってどれほど重要な意味を持つかを考えると、歴史的な決断だった。しかし、もしジェリーがクラブのために描いたビジョンを実現したいのであれば、変化し、前進する必要があった」と語った。
「インテルはミラノで唯一、ステッラが2つのクラブ」
カルディナーレは今月16日のミラン創設125年記念イベントにも姿を見せず、最近の不振もあって、ミラニスタたちからの評判は良くない。
『コッリエレ・デッロ・スポルト』のイヴァン・ザッザローニ記者は、「あなたはたった一回のインタビューで、一連の奇妙な発言を放ち、多くの敵を作った。あなたのサッカーとビジネスを組み合わせた戦略については議論しない。私にはピッチ上の結果で十分だ。しかし、あなたが『リーグ優勝は重要な目標だが、賢く勝つ必要がある』と述べたとき、我々は面食らった。一つだけ教えてほしい。マルディーニ、すなわちスクデットの立役者である人物を切り捨てたのは、彼の過剰なまでの専門知識が理由だったのか」と批判した。
インテルのレジェンドであるジュゼッペ・ベルゴミは『スカイ』の番組で、「今では誰もが持続可能でありたいと願っている。そして持続可能性の中には、専門知識、歴史、そして伝統が含まれなければいけない。ミランについて話をしている以上、マルディーニのような人物を失うようでは、ビジョンを十分に理解しているとは言えないだろう」と、宿敵がレジェンドを追い出したことを今でも疑問視している。
また、コモ戦の前に『スカイ』のインタビューに応じたインテルのジュゼッペ・マロッタ会長は「彼の発言は場違いで、クラブの名声やイメージに対して失礼だと思う。カルディナーレは少し混乱してるんじゃないかな。確かに過去、我々の主要株主が経済的に厳しい状況にあったのは事実だ。だが数年前にオークツリーがクラブの所有権を持つことになってからは、明確なガイドラインが引かれた。インテルの運営は完全に異なるものだ。ファイナンシャル・フェアプレーや国内の厳しい財務基準に則って運営している。赤字が減り、その間にスクデットとスーペルコッパを獲った。クリスマスらしく少しユーモアを交えるなら、我々は2つ目のステッラを獲得し、ミラノでそれを持つ唯一のクラブになった」と述べた。