フロント主導感のある夏の動きがチグハグさの根源か?
ファビオ・カペッロが、19日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューでミランの夏の補強に厳しい評価を下した。
カペッロは、今年夏のミランの補強がパウロ・フォンセカ監督の意向を反映したものではなかったと感じている。
「良い補強だったのかを問う前に、まずは2つの質問をしたい。『誰が決めたのか』『その決定は、監督であるパウロ・フォンセカの合意があってのものなのか』ということだ。その2つの質問の答えで、状況はより明確になる」
「私の印象を言えば、何人かについてはあまり慎重な判断ではなかったと感じる。そして、フォンセカの意向は考慮されていないように思う」
エメルソン・ロイヤルでクオリティは上がらない
「選手を慎重に評価することについて、私がつねに思い出すのは、アリエド・ブライダだ。彼の口癖は『ブラーヴォだが、サン・シーロに向いているか』だった。サン・シーロでプレーするのは特別なプレッシャーがある」
「たとえばエメルソン・ロイヤルで、私はミラン向きだとは感じていない。私なら、彼は獲らない。彼を加えたとしても、右サイドのクオリティは上がらないからだ。右サイドはすでにカラブリアがいて、若いアレックス・ヒメネスもできる。さらにカルルを残すこともできた。彼はセンターバックもこなせるね。だから、右サイドを補強するのであれば、さらにクオリティが上がる選手でなければいけない。私からみて、エメルソン・ロイヤルはそのレベルではない」
ストラヒニャ・パブロビッチは必要だったのか
「まだ若く、出番が少ない中で評価を下すのは難しいが、本当に必要だったのかという疑問は残る。カルルの方がチームのことを分かっているし、彼は現にユヴェントスで活躍している。そちらを残しておいた方が良かったのではないかと思ってしまう」
FWは欲しかったが、及第点
「ジルーが退団したから、ストライカーが欲しかった。FW補強が目玉となるべきだった。ミラニスタはなぜ20得点を決められるFWを連れてこなかったのかと嘆くが、それは簡単ではないだろう。同じ予算で誰を取れたのかを考えると、私が見渡した限りでは見当たらない」
「モラタはリーダーシップもあり、ミランが彼以上の人材を見つけるのは難しかった。エイブラハムについても、ベンチから途中出場する選手として十分な戦力であり、この点ではミランのフロントを批判するつもりはない」
問題は右ウイング
「私が気になるのは右ウイングだ。プレシーズンの時点で、フォンセカはプリシッチをトレクァルティスタとして使いたいと言っていた。それなら、右サイドで違いをつくれる選手、左のラファエル・レオンと同じように右でも違いを生み出すような選手が必要だった。チュクウェゼは期待通りにいっていないし、もっと言えば同タイプの控えもいない。ムサを置くことで守備のバランスを取るようになったが、だったら、サレマーカーズを残していればよかったとなる。フォンセカは開幕前にサレマーカーズの残留を望んでいたのだしね。それを思うと、フォンセカの意見はあまり尊重されていなかったと感じてしまう」