アイデンティティを育むには時間が必要、ただファンが待ってくれるとは限らない
ミラノダービーを制して盛り上がるミランは、特にマッテオ・ガッビアの活躍に注目が集まっている。かつてミランの育成部門責任者だったフィリッポ・ガッリが、『MilanNews』のインタビューに応じてさまざまなテーマについて語った。
パウロ・フォンセカ監督の変更
「フォンセカがリスクを冒すことができたのは、チームが彼を信じていたからだ。彼は敗北後もチームが自分を支えてくれると感じていた。システムよりも重要なのは、試合の解釈と、重要な瞬間に試合を読む能力だ。ダービーではそれが発揮されたね」
マッテオ・ガッビアが注目されている
「下部組織出身選手がゴールを決めたことが本当にうれしいし、彼が多くの若手にとっての手本になることを願っている。マッテオは真面目で落ち着いた選手で、プロ意識が高いのが強みだ。彼は何事にも全力で取り組んでいる」
ミランの魂が欠けているとよく言われる。ダービーのような試合でほかの選手、特に外国人選手に伝えることが重要
「マッテオやダヴィデ(・カラブリア)は、ミランのアイデンティティを持っている。しかし、私の印象では、あまり注目されていない。私はこのアイデンティティを重視しており、その地域で選手を育成することに賛成している。ただ、ミランがこの方向に進んでいるとは思えないね。でも、ユースチームやセカンドチームの活動が、ミラニズモを持った選手を育てる未来の準備になることを願っている」
「補足させてほしい。下部組織というのは、18歳で選手を買うことを指しているわけではない。私が言っているのは、ガッビアやカラブリアのように、真の意味で下部組織で育成されることだ。ほかの選手も同様に育成されたが、異なる環境に移ってしまい、そこでは彼らを育てる忍耐が足りなかった」
ガッビアも昨季はビジャレアルへ行っていた
「ガッビアはつい最近まで普通の選手だと思われていた。実際、彼は普通の選手だが、
周囲は彼がミランにふさわしくないという烙印を押すためにミスを待っていたフシすらある。ミランのティフォージは非常に厳しく、下部組織出身のラニズモを持つ選手がチームにいるという考えにどれだけ信頼を置いているかは不透明だ。最終的には、ティフォージにとって大事なのはチームが勝つことだからね」