採点や試合後コメント、ハイライト動画も
ミランは24日、セリエA第2節でパルマと対戦し、敵地で1−2と敗れた。
ミランは開始2分に昇格組のパルマに先制を許すと、その後も守備が安定せずに苦戦を強いられた。前半の終盤から後半の序盤にかけて押し込む時間帯をつくり、66分にクリスチャン・プリシッチのゴールで追いついたものの、攻撃に比重を置きすぎたのか、77分に速攻からパルマの新加入選手であるマッテオ・カンチェッリエーリに勝ち越し弾を許し、1−2で敗れた。
終始チグハグ
ミランは立ち上がりの失点のあとも反応が鈍かった。序盤はラファエル・レオンとプリシッチがプレーにほとんど絡めず、チャンスらしいチャンスをつくれなかった。徐々にペースを握って、30分すぎにはノア・オカフォーやストラヒニャ・パブロビッチがシュートを放つが、パルマのGK鈴木彩艶に止められた。
攻撃よりも心配なのは守備面だろう。立ち上がりにダヴィデ・カラブリアの裏のスペースを取られて先制を許したシーンに始まり、ミランのハイラインの守備は終始安定しなかった。特に後半は、攻守のバランスが崩れてしまい、パルマの速攻の餌食に。パウロ・フォンセカ監督はユスフ・フォファナとエメルソン・ロイヤルを投入して新戦力で試合にスパイスを加えたが、完全に逆効果で、特にエメルソン・ロイヤルはパルマのカウンターの標的になった。
アルバロ・モラタの不在に加えて、新戦力が加入したばかりということで、まだチームに戦術が浸透していないという言い訳はできるかもしれないが、早すぎる黒星にミラニスタたちは落胆しているはずだ。
試合後コメント
パウロ・フォンセカ監督(『DAZNイタリア』、記者会見)
前半のプレッシングの遅さ
「説明するのは難しい。問題はムサではなく、もっと前から始まっている。守備全般において非常に悪かった。このような守り方では勝つことは不可能だ。チームとして守ることができなかったし、個々のデュエルでもミスが多かった。プレッシングが遅れ、スペースを与え、予防的なマークも誤っていた。守備面でたくさんの間違いがあり、これほど多くのミスを犯してしまうと、パルマのようなチームに多くのチャンスをつくらせてしまう」
攻撃陣のプレス
「私は常にチームの責任者であり、この結果について責任を負うつもりだ。受け身な姿勢やアグレッシブさに問題があるのは明らかだと思う。ディフェンダーだけが責められるが、ほかの選手が簡単にプレーできる状況がディフェンダーに負担をかけている」
問題は態度なのか、キャラクターなのか
「すべてだと思う。このチームには総合的な問題がある。トリノ戦ではハイプレス
をかけられずに問題が生じた。今日は試みたが、やはり問題があった。ほかのチームがプレッシャーをかわすと、コンパクトさを保つのが難しくなる。ポジションを取り戻すと、我々は受け身になってしまう。多くの要素が絡んでおり、態度、エネルギー、チームとして守る意欲の問題があると感じている」
プレシーズン後にこれほどの問題が発生すると思っていたか
「いや。実際、プレシーズンは良かった。しかし、ここにきて現実を直視することになる。ビッグクラブとの対戦はモチベーションが高くなるが、現実に戻ると理解しがたい変化がある。一週間の中でまた戦略を練り上げるが、試合が始まるとこのような状態になる。説明するのは難しい」
ジルーのようなリーダーが欠けているか
「いや、我々には複数のリーダーがいる。これが問題だとは思わない」
攻撃面に満足しているのか
「序盤の失点が影響し、その後相手が守りを固めた。バルセロナ、マンチェスター・シティ、レアル・マドリーなどのチームはオープンな試合をするが、ここでは難しい。イタリアでは守りを固めるチームが多く、これは避けられない現実だ。それでも我々はいくつかのチャンスをつくり出した」
トリノ戦前にミランが変わると予告していたが、昨季と同じようなミスを繰り返している。それどころか昨季より悪化しているような…
「意見を尊重する」
何がうまくいかなかったのか
「あまりにも簡単にボールを失った。その結果、守りを固めたチームにチャンスを与えてしまった。予防的なマークがうまくいかず、戻る意識も統一されていない。チームが間延びし、前に4人がいて、ほかの選手が守備をしている。多くの問題が重なって、守備に影響を与えている」
ミラニスタたちは、このチームを信じていいのか
「プレシーズンでは良い成果を上げたし、チームをうまく強化した。改善には時間が必要で、すべての選手を同じレベルにするためにも時間が必要だ」
リールとミランで守備に違いがあるのか
「別の選手がいる別のチームと比較するのは公平ではない。我々は今、一丸となって取り組むべきだ。この時期にチームとして機能しなければ、非常に困難になる。我々が個々で守備をするチームなら、もっと苦労することになるだろう」
デニス・マン(パルマFW /『DAZNイタリア』)
「個人的には、ゴール前でたくさんミスをしてしまったと思う。それでも勝てたことに満足しているし、この調子で続けていきたい」
ミラン採点
マイク・メニャン
- MilanNews: 6 – マンのシュートを阻止できそうだったが、わずかに届かず。好守もあった。
- TMW: 6 – 失点はノーチャンス。前半のカウンター対応でのセーブが彼のパフォーマンスを評価に値するものとした。
- スポルトメディアセット: 6
ダヴィデ・カラブリア
- MilanNews: 5 – 前半を通じて苦戦し、パルマの攻撃が彼の背後を狙う展開が続く。ヴァレーリにスピードで振り切られ、マンの先制点を許す。後半でも改善されず。
- TMW: 5 – 試合開始早々から自身のサイドでミスが続き、20分以内に複数の致命的なエラーを犯した。
- スポルトメディアセット: 5
エメルソン・ロイヤル(67分〜)
- MilanNews: 5.5 – パルマの2点目ではポジションが悪く、十分な対応ができなかった。
- TMW: 5.5 – 攻撃ではいくつかの好機をつくるも、守備面でのミスが目立った。
- スポルトメディアセット: 4.5
フィカヨ・トモリ
- MilanNews: 5.5 – 前半は厳しい状況が続き、失点シーンは対応が悪かった。後半ではパブロビッチが目立つ場面が多かった。
- TMW: 5 – 高い位置でのプレッシングは良かったが、ミスからチームを危険に晒した。
- スポルトメディアセット: 6
ストラヒニャ・パヴロヴィッチ
- MilanNews: 6.5 – 前半はシュートがクロスバーに弾かれる不運もあった。後半はフィジカルで相手を圧倒する場面が多かった。
- TMW: 6.5 – 攻守にわたって、決定的なシーンでの対応が光った。後半は守備のミスもあったが、総じて高評価。
- スポルトメディアセット: 6.5
テオ・エルナンデス
- MilanNews: 5.5 – マンに背後から走り込まれ、先制点を許す。後半はレオンとともに攻撃の起点に。プリシッチの同点弾に絡む。
- TMW: 6 – 攻撃面では目立つも、守備面での課題が残る。プリシッチの同点弾の際の動きは良かった。
- スポルトメディアセット: 5
ユヌス・ムサ
- MilanNews: 5 – チームの崩壊を食い止めようとするも、パルマの速攻に苦しみ、効果的な働きができなかった。
- TMW: 5 – プレーの安定性を欠き、パルマの攻撃を防ぐことができなかった。
- スポルトメディアセット: 5.5
ユスフ・フォファナ(67分〜)
- MilanNews: 6 – チームの組織を整えようと努力し、守備に貢献した。
- TMW: 6 – セリエAデビューでいくつかの好プレーを見せたが、評価には物足りなさが残る。
- スポルトメディアセット: 6
タイアニ・ラインデルス
- MilanNews: 6 – 創造性を発揮し、良い動きを見せたが、決定力に欠けた場面も。
- TMW: 6 – 前半から積極的にプレーし、後半にはクロスバーを叩くシュートを放った。
- スポルトメディアセット: 6.5
クリスチャン・プリシッチ
- MilanNews: 6 – チーム内で常にボールを持つと決断力があるプレーを見せた。同点ゴールを挙げる重要な役割を果たした。
- TMW: 6.5 – サイドでプレーし、チームが苦しい時にゴールを決めることで存在感を示した。
- スポルトメディアセット: 6
サムエル・チュクウェゼ(85分〜)
採点なし
ルベン・ロフタス=チーク
- MilanNews: 5 – 動きが少なく、貢献度は低かった。
- TMW: 5.5 – 動きが鈍く、守備面でも貢献が少なかった。
- スポルトメディアセット: 5.5
ラファエル・レオン
- MilanNews: 5.5 – 前半はクリバリに封じられ、後半でやっと輝きを見せ、プリシッチへのアシストを記録したが、全体的にパフォーマンスは低調。
- TMW: 6 – 前半は試合に入れず、後半で見せた輝きが評価を救った。同点弾に関与。
- スポルトメディアセット: 5.5
ノア・オカフォー
- MilanNews: 5 – 存在感が薄く、前半の数少ないチャンスを活かせなかった。
- TMW: 5.5 – ポジションで苦しみ、効果的なプレーができなかった。
- スポルトメディアセット: 5
ルカ・ヨビッチ(85分〜)
採点なし
パウロ・ファンセカ監督
- MilanNews: 4.5 – 開幕2試合で見せた内容は、想定外の低調さで、チームはバラバラな状態。守備面での大きな課題が残り、修正が急務。
- TMW: 5 – チームの完成度が低く、守備面での改善が見られず、開幕戦に続き、評価を大きく落とした。
鈴木彩艶の採点
- スポルトメディアセット: 7 – 試合の中盤でミランがペースを上げ、危険な場面が増えると、鈴木は的確な反応を見せ、少なくとも4回の決定的なセーブを披露した。いずれも美しいプレーだった。プリシッチのゴールに関しては、どうすることもできなかった。
- – TMW: 6.5 – パブロビッチのヘディングに対する見事なセーブや、ラインデルスの鋭いシュートにもしっかり対応した。集中力が高く、ゴールに向かう全てのシュートに対して反応しており、安定感のある守備を見せた。
マメ知識
『スポルトメディアセット』から
- パルマがセリエAでミランに勝利したのは、2014年3月16日(4-2)以来初めてのこと。
- ミランがセリエAのシーズン最初の2試合で勝利がないのは、2011/12シーズン以来。このときも勝ち点1しか得られなかった。
- ミランは、すべての大会を通じて直近11試合でわずか1勝(5分け5敗)しか挙げておらず、その期間に無失点で終えたのは1試合(4月27日のユベントス戦0-0)のみ。
- ミランがセリエAで昇格チームに敗れたのは、2021年2月13日のスペツィア戦(0−2)以来
- デニス・マンの前に、セリエAのシーズン最初の2試合で得点を挙げたパルマの選手は、2009/10シーズンのアルベルト・パロスキ(ウディネーゼ戦とカターニア戦)。
- デニス・マンのゴール(1分24秒)は、パルマ史上セリエAで2番目の早さ。最速は、2020年10月4日のヤスミン・クルティッチがエラス・ヴェローナ戦で決めた23秒。
- クリスチャン・プリシッチは、セリエA直近6試合で5つのゴールに関与(3得点2アシスト)。