勤勉なトレクァルティスタの成長に期待
ミランのマッティア・リヴェラーリに対する注目が高まっている。17歳の彼は、2024年5月から6月にかけて行われたU-17 EUROでイタリア代表の主力として活躍すると、ミランでは夏のプレシーズンツアーでトップチームとともにアメリカへ渡っている。フランチェスコ・カマルダとともに今後が期待されているリヴェラーリはどんな選手なのか。イタリアメディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』『milanlive』『calciomercato』の情報をもとに紹介する。
プロフィール
マッティア・リヴェラーリ(Mattia Liberali)
生年月日:2007年4月8日(17歳)
国籍:イタリア
ポジション:トレクァルティスタ、ウインガー
身長:178cm
これまでのキャリア
リヴェラーリはロンバルディア州のブリアンツァで生まれた。サッカーキャリアのスタートは「ラ・ドミナンテ」という地元のサッカースクールで、最初はディフェンダーとしてプレーしていたが、その後ミッドフィルダーに転向し、さらには攻撃的なポジションにシフトしていった。このポジションの変遷が、彼の視野の広さと多様なプレースタイルの基礎を築くことになったと、同クラブのディレクターであるマウロ・サーラが語った。
ラ・ドミナンテは、ミランの提携クラブだったこともあり、そこでのパフォーマンスがミランのスカウト陣の目に留まり、リヴェラーリは8歳だった2015年にミランの一員となっている。
ミランで順調にカテゴリーを上げていったリヴェラーリは、2023/24シーズンのカンピオナート・プリマヴェーラで17試合に出て4得点1アシストを記録。上の世代でも存在感を示した。
また、U-15から各世代のイタリア代表に選出されており、2024年夏のU-17 EUROでは10番を背負ってイタリア代表の優勝に貢献した。準々決勝のイングランド代表戦のゴールは特に注目を集めた。(ページ下部に動画あり)
プレースタイル
リヴェラーリは、ドリブルやスピード、テクニックに優れたトレクァルティスタとして知られている。特に密集を苦にしないドリブルの技術は特長だ。また、鋭いカットインや正確なシュートも持ち味で、ゴール前での冷静なフィニッシュ能力も高い評価を受けている。
そのプレースタイルは、しばしばマンチェスター・シティのフィル・フォーデンに例えられる。アレッサンドロ・コスタクルタも「リヴェラーリはフォーデンのようだ」と述べていた。
2024年夏のアメリカツアーでは、レアル・マドリー戦に出場。4−2−3−1のトップ下で出場して、サムエル・チュクウェゼの得点をアシストした。(ページ下部に動画あり)
マメ知識
- 畳から芝生へ: 幼少期には柔道を習っていた。
- 勉強家: 高校でスポーツ科学を専攻している。
- 多才な一面: 将来的にはフィジオセラピストやスポーツジャーナリストになることも視野に入れて勉強している。
- ヨーロッパ中の注目: ベンフィカなどからもオファーがあったが、本人がミランで続けることを選んだ。
- ラ・ドミナンテ: リヴェラーリの才能を見出したラ・ドミナンテは、マッテオ・ペッシーナも輩出した。
父が語るマッティア
マッティアの父クリスティアンが、『GianlucaDiMarzio.com』(2024/7/20)にコメントを残している。
自然とカルチョの道へ
「ミランのユニフォームを着ることなんて、誰も想像していなかった。ちょっと前まで柔道をしていたんです。ある日、突然『パパ、カルチョをやってみたい』と言われました。うれしかったです。私が大好きで、コーチをしていたこともありました。ただ、こどもたちには『何かスポーツをしなさい。なんでも構わないから』と言ってきたんです。私が強制することはしたくなかった。影響を与えたくなかった。でも、理由は分からないけど、ある日マッティアがその決断をしたんです」
勉強熱心
「息子はスポーツ科学を専攻していて、学校の成績はいつも良いんです。高校卒業後も勉強は続けたいようです。フィジオセラピストや整骨院みたいなことに関心があって、スポーツ記者にも興味があるようです」
験を担ぐ両親
「U-17 EUROには行きませんでした。最初の2試合が終わった後で行こうかって話になったんですが、私たち夫婦は験を担ぐタイプでして。家にいることにしたんです」
「最近は道で声を掛けられることもありますが、照れくさくなりますね。息子も同じ気持ちでしょう。マッティアもかなりシャイな子なので」
内気な性格
「マッティアのような息子がいることは幸運以外の何物でもありません。ピッチを離れると勉強し、友達と過ごして、時間があるときは弟のダニエレの試合を観に行きます。マッティアはまだサッカーを仕事とは考えていません。私はそうならないことを願うばかりで、始まったところだと信じていますが、今はただ情熱で取り組んでいる感じです」
(これについてはラ・ドミナンテのマウロ・サーラが「彼はこどものときから頭がプロフェッショナルだった。そうでなければ、ここまできていませんよ」と付け加えた。)