数的不利で挽回も、最後に油断
18日にセリエA第25節のモンツァ対ミランが行われ、4-2でホームのモンツァが勝利を収めた。
途中出場のジルーとプリシッチが頑張ったが…
ヨーロッパリーグのレンヌ戦から中2日のミランは、オリヴィエ・ジルー、ラファエル・レオン、クリスチャン・プリシッチらがベンチスタートとなり、メンバーを落としている。
ミランにとってマリック・チャウの先発復帰は良いニュースだったものの、そのチャウが前半終盤にペナルティーエリア内でダニー・モタを倒してしまい、モンツァにPKを献上した。これをマッテオ・ペッシーナに決められて先制を許すと、アディショナルタイムには速攻からダニー・モタも決められて、2点ビハインドで折り返した。
2点を追うミランは、後半開始からラファエル・レオン、タイアニ・ラインデルス、プリシッチを投入するが、52分にルカ・ヨビッチが暴力行為で退場となり、10人となる。ヨビッチ退場後はイスマエル・ベナセルが下がってジルーが投入され、数的不利で挽回を目指した。
64分、ミランは右サイドからアレッサンドロ・フロレンツィがクロスを入れると、ニアのプリシッチがバックヘッドで流したボールにジルーが足で飛びついて1点を返す。88分には、プリシッチの個人技で同点弾が決まり、敗色濃厚の中から勝ち点1をつかみかけた。
だが、同点弾のあとがマズかった。90分、ダニエル・マルディーニのパスを受けたウォーレン・ボンドにミドルシュートを決められると、攻撃的になった終了間際にはロレンツォ・コロンボにもゴールを許し、試合は2-4でミランが敗れた。
選手採点
高評価
『MilanNews』は先発メンバーの最高評価がマッテオ・ガッビアの6。途中出場のプリシッチが最高点で7、ジルーに6.5が付いている。プリシッチについて同メディアは、「チュクウェゼと比べて、異なるリズム、技術、メンタルがある。ジルーへのアシストで試合に希望を与え、スーパーゴールで同点弾」と称えた。
『TMW』はスターティングメンバーで6点台はなし。こちらもプリシッチの7が最高点で、ジルーが6.5となっている。『スポルトメディアセット』はプリシッチが7.5、ジルーが7だった。
低評価
ワーストは満場一致でヨビッチだ。『MilanNews』が3、『TMW』『スポルトメディアセット』で4となっている。『スポルトメディアセット』は「前半はほとんどプレーする機会がなかった。後半はイッツォに一発見舞う愚行で退場になった」としている。
ただ、ヨビッチだけが敗因というわけではなく、この日は様々な選手が良くなかった。失点に関与したチャウは、3メディアそろって4点台の低評価で、4.5を付けた『TMW』は「立ち上がり30分でいくつかのパスミスからおかしかった。そして、目も当てられない2度の守備があった。特に2度目はセンセーショナルなミス。2点目を奪われて勢いを失い、コルパニにあっさりかわされた」と記している。
全体的に低評価が目立つが、4点台がついたのは上記2人のほかに、ヤシン・アドリ(MilanNews / 4)、ノア・オカフォー(スポルトメディアセット/ 4.5)だった。
試合後コメント
ステファノ・ピオリ(ミラン / DAZNイタリア)
痛恨の敗戦
「いくつか大きなミスがあった。ただ、4失点した試合で、立ち上がりの30分はやるべきことができていたなんて言うのも違うだろう。それでも、先は長い。リスタートできる資質があることは示した。2-2としたあとでもっと冷静になるべきだった。とにかく、今夜はミスが多すぎた。それは間違いない」
ターンオーバー
「ラファはプレーする予定だったが、昨日の練習で少し問題があり、今朝もまだふくらはぎに違和感があった。ほかの選手はいける状態だった」
「(戻れるなら別の選択をする?)プリシッチは疲れがあり、昨日の練習をしていない。ラファもこういう状況だ。だから、この選択が正しいと思った。クリスチャンは近年、ここまで多くプレーしていなかったしね」
アウェーゲームの失点が多い(リーグワースト4位)
「チームとして機能していれば、守備はうまくいく。むこうのゴールは相手のクリアから生まれたもので、我々はミスから取り組んでいくべきだ。アウェーでの失点が多いことは改善すべき点だろう」
マッテオ・ガッビア(ミラン / ミランTV, DAZNイタリア)
「良い結果を出せなかったけど、ベストを尽くした。でも、こういった負けは良くない。痛い結果だ。それは僕たちも分かっている。ただ、まだシーズンは長い」
「木曜日にまた試合がある。この敗戦を払しょくしたい。たくさん勝っていたから残念だけど、負けもカルチョの一部だ。ここから挽回したい」
「2-2に追いついて、正直勝ちたいという気持ちがあった。負けるよりは引き分けた方が良いけど、難しい状況だったよ」
「(ヨビッチは)冷静にならないとね。彼は今夜ミスをした。明日には謝罪すると思う。彼は良い人だし、誰だって間違いはある。僕たちは寄り添うよ。彼は自分が間違いをしたことに気づいているし、すぐに元のプロフェッショナルな彼に戻るはずだ」
ロレンツォ・コロンボ(モンツァ / DAZNイタリア)
「(保有元相手のゴールで最も強い感情は?)驚きだね。僕たちがリードして、そのあと追いつかれた。そして、最後は僕たちは勝った。とても満足している」
「確かに僕たちは強敵からの勝利を欲していた。ミラン戦は僕にとって特別な意味がある。とにかく、チームメートと喜ぶことにするよ。このゴールは彼女と家族に捧げたい」