マリック・チャウが79日ぶりに復帰
15日に行われたヨーロッパリーグ・決勝トーナメントプレーオフのファーストレグでミランはレンヌをホームに迎え、3-0で先勝した。
快勝と復帰
シモン・ケアーの回復が間に合ったミランは好発進した。コッパ・イタリアを除くと約2カ月ぶりの先発となったユヌス・ムサが精力的に動き回って攻撃を活性化すると、32分に先制点が生まれる。右サイドからアレッサンドロ・フロレンツィが上げたクロスに好調のルベン・ロフタス=チークが合わせて1-0で折り返した。
後半は最高のスタートとなる。47分、テオ・エルナンデスのCKにケアーがヘディングで合わせたシュートはGKに止められてしまうが、こぼれ球をロフタス=チークがダイビングヘッドで飛び込んでリードをひろげた。
53分には、待ちに待ったラファエル・レオンのゴールが決まる。テオ・エルナンデスが競り勝って高い位置でボールを受けた10番はヒールで左のスペースにパス。テオのグラウンダーの折り返しをうまく右足のインサイドで捉えてゴール右隅に決めた。ラファエル・レオンはコッパ・イタリアでは決めているものの、カンピオナートでは昨年9月の第5節を最後に得点がない状況で決定力が疑問視されているところだが、高難易度のシュートを決めている。
その後もミランは、理想的な展開。マリック・チャウの復帰、新加入フィリッポ・テッラッチャーノの起用もあり、守っては無失点で完璧な勝利を収めた。
選手採点
『スポルトメディアセット』『MilanNews』は、どちらもマン・オブ・ザ・マッチにロフタス=チークを選出し、8を付けた。『スポルトメディアセット』は「1カ月弱で5得点。ミランの真のストライカー」と記した。
久々のゴールを決めたラファエル・レオンも好評価で、両メディアとも7.5の採点だった。『MilanNews』は「サン・シーロで極上のプレーを見せた。3点目は彼にふさわしいもので、あまりにもビューティフル。外から仕掛ければ、誰も止められないことを改めて証明した」と称えている。
『MilanNews』はそのほかにテオ・エルナンデスに7.5を付けた。
試合後コメント
ラファエル・レオン(スカイ)
「久しぶりのゴールだね。まあ、ゴールがなくても最近は悪くない感じだよ。でも、ゴールを決めると自信になるね」
「いつもティフォージに支えてもらっている。あんまり良い時期じゃなくてもね。だから感謝を伝えなきゃいけない。もちろん、チームと家族にもね」
「(スクデットレースは)まだたくさん試合がある。厳しいけど、不可能ってことではないだろう。僕たちは強いし、調子も良い。今日は厳しい相手だったけどうまくやれた。まだまだ上を目指せるはずさ」
ルベン・ロフタス=チーク(スカイ)
「まだミッションコンプリートってわけじゃない。セカンドレグにむけて今日勝っておくべきだってことは分かっていた。大きな勝利だね。でも、まだ半分だ。ピッチでは楽しめるように努めている。たくさんプレーできているし、プレーするときに自由を感じているよ」
「ポジションはいくつかできる。このポジションは好きだ。ゴールがより近いからね。2回自由になって、2回決めることができた。最終的な得点数は大事じゃない。試合ごとにベストを尽くしていくだけだね」
アレッサンドロ・フロレンツィ(スカイ)
「良い試合ができたね。チャンピオンズリーグみたいな雰囲気を感じたし、もう1点取れてもおかしくなかった」
「(ロフタス=チークへのアシストは)うまくいったね。でも、ゴールが決まったことが大事であって、誰のアシストで、誰のゴールかなんて大したことじゃないんだ」
「僕たちはプレーの仕方を理解している選手がたくさんいる。ロフタスとプリシッチがいると、サイドで数的優位がつくりやすいね」
ステファノ・ピオリ監督(スカイ)
快勝について
「チャンピオンズリーグの話題をこれ以上しても意味がない。敗退したあと、自分たちのベストを尽くすという目標を設定した。今夜の試合は簡単ではなかったが、とてもうまくいったね」
ルベン・ロフタス=チークについて
「少しフィジカルに問題があり、十分に練習できないままだった。それでも力強く、我々を助けてくれる。私は彼がより攻撃的な選手で、もっと質が高いことに気づいた。ボックス・トゥ・ボックスの選手だと考えていたが、ここまでとは思ってなかったんだ。(セルゲイ・)ミリンコビッチ=サビッチを思い出すね。本当に素晴らしい選手だ」
ラファエル・レオンについて
「ラファエル・レオンはいつも落ち着いていたし、ハッピーにみえた。シュートを外すのはあり得ることだし、彼はゴールが決まらないときも素晴らしかった。大事なのはチームの勝利であり、彼はいつもその主役だったね」
「彼はこういった選手で、常に楽しさと美学を追求している。彼は自分の改善点も分かっているし、それだけ成長できるはずだ。攻撃時にもっとペナルティーエリアに侵入することで、もっとゴールを決められるだろう」