ウディネーゼを撃破
ミランは20日に行われたセリエA第21節でウディネーゼと対戦し、敵地で3-2の劇的勝利を収めた。
ザッケローニが登場
元サッカー日本代表で昨年重病を患ったアルベルト・ザッケローニ氏が招待されたこの日のゲームは、良いムードで行われるはずだった。
人種差別チャントで一時中断
しかし、前半の主役はスタンドにいた一部の差別主義者になってしまう。GKマイク・メニャンへの差別的なチャントが続き、ミラン守護神から要請を受けたマレスカ主審の指示でスタジアムで人種差別チャントをやめないと試合が中断になると警告のアナウンスを流した。それでも一部から同様のチャントが起きたため、試合は一時中断となっている。その後再開されたものの、またしてもイタリアサッカー界の悪い面が出てしまった。
立ち上がりはミランが主導権
スタンドの問題は別として、試合は白熱した。前半の主導権を握ったミランは31分、テオ・エルナンデスがラファエル・レオンとのワンツーで左サイドの裏を取ってクロスを入れると、オリヴィエ・ジルーがニアに入ってできたスペースに2列目からルベン・ロフタス=チークが飛び込んで、鮮やかに先制点を奪った。
しかし、ウディネーゼは42分、今冬の移籍が噂されるラザル・サマルジッチが見事な突破から左足のミドルシュートを突き刺し、1-1で折り返す。62分には後半から入ったフロリアン・トバンが決めて、逆転に成功した。
追いかけるミランは、交代選手が起用に応えた。83分、ジルーのシュートがDFに当たってクロスバーを叩くと、こぼれたボールをルカ・ヨビッチが詰めて同点に追いつく。さらに、後半アディショナルタイムには、右からのCKを中央でジルーが競り勝ち、ファーサイドでノア・オカフォーが決めて逆転に成功した。
ミランはこれでカンピオナート4連勝。暫定ながら、2位ユヴェントスと勝ち点4差、首位インテルと同6差としている。
ミラン採点:各メディアの最高評価
『スポルトメディアセット』ルベン・ロフタス=チーク:7
彼の飛び出しは長時間、ウディネーゼの悩みのタネだった。適切なスペースを見つけては入っていき、数的優位をつくった。いまのステファノ・ピオリのチームで最も有効な武器の一つ。(※ヨビッチとオカフォーも7の採点)
『MilanNews』マイク・メニャン:8
肌の色について侮辱されたことに「ノー」と言う勇気があった。そして、正しいリアクションでプレーした。トバンのゴールについては、何かしらできたかもしれないが、パイエロに対する足でのセーブも重要だった。
『TMW』ノア・オカフォー、ルカ・ヨビッチ:7
オカフォー:意欲と冷静さを発揮し、ミランに4連勝をもたらした。
ヨビッチ:短期間で部外者から摂理へと自分を変えた。いまや信頼できる交代に。
試合後コメント
マイク・メニャン(スカイ)
「(人種差別チャントについて)最初にボールを取りに行ったときにサルと言われたけど、そのときは何も言わなかった。そのあとも続いたからベンチに助けを求めた。僕は『こんなんじゃプレーできない』と訴えたよ。僕に対しても、ほかの選手にとっても、これは初めて起きたことじゃない。こういったのは無知な人間がすることだ。ティフォーゾは応援するため、もしかしたらブーイングをするためにスタジアムへ来る。でも、これは違うことだ」
ステファノ・ピオリ監督(記者会見・スカイ)
「(メニャンの騒動後不安定になった?)確かに少しあるかもしれない。最初の30分は良かったし、もっとゴールを決められたかもしれない。あのエピソードで少し不安定になったが、我々は自分たちの力で立ち直り、素晴らしい結果を収めることができた」
「(ミランで100勝達成。次の100勝をイメージできるか?)そうなるといいね」
ノア・オカフォー(DAZNイタリア)
「サッカーに人種差別の居場所はない。僕たちはみんな一緒だ」
「どのゴールも重要で、僕はチームのために全てを捧げる。チームのためになりたくて仕方がないんだ。スクデット? 僕たちは素晴らしいクオリティがある。ミステルも一生懸命だし、試合ごとに改善していきたいね」