ヴェローナで生まれた新たな才能
ミランは8日、エラス・ヴェローナからフィリッポ・テッラッチャーノを獲得した。20歳の新戦力は、どんな選手だろうか。
プロフィール
フィリッポ・テッラッチャーノ(Filippo Terracciano)
生年月日:2003年2月8日(20歳)
国籍:イタリア
ポジション:左右サイド全般、センターバック
身長:186cm
これまでのキャリア
元サッカー選手の父アントニオ・テッラッチャーノが現役を引退した直後の2003年にヴェローナで生まれたフィリッポ・テッラッチャーノは、エラス・ヴェローナの下部組織で育った。
2021年12月15日に行われたコッパ・イタリアのエンポリ戦でトップデビュー(18歳10カ月7日)を飾ると、翌2022年3月20日のエンポリ戦でセリエAデビュー(19歳1カ月12日)している。
イタリア代表としては、U-21まで各世代別代表に呼ばれてきた。2022年末には、当時のイタリア代表指揮官であるロベルト・マンチーニ監督が、未来の代表候補を呼ぶ合宿にテッラッチャーノを呼んでいる。
2022/23シーズンにヴェローナで20試合に出場したテッラッチャーノだが、プレー時間は814分で、ベンチを温めることの方が多かった。しかし、2023/24シーズンは開幕から不動のレギュラーとして扱われている。最近は左サイドバックでの起用が多かったが、右サイドハーフ、右サイドバック、さらにセンターバックでも起用されており、様々なポジションをこなす器用さが武器だ。
ミランは、移籍金450万ユーロ+ボーナス(推定)でテッラッチャーノを獲得した。契約期間は2028年6月30日まで。放出時は移籍金の10%をヴェローナに支払うことになる。
プレースタイル
上記のとおり、複数ポジションをこなせる選手。186cmの長身だが、空中戦以上に足もとの技術に自信があるようで、最終ラインでボールを持っても落ち着いた対処ができる。サイドからドリブルで仕掛けることも、早いタイミングでクロスを入れることも可能だ。
守備面では、特にスライディングの技術が高く、絶妙なタイミングで仕掛けることができる。デビュー当初は線の細さを指摘する声もあったが、フィジカルもできあがってきたようで、186cmの長身を活かしたセットプレーでも存在感を強めていている印象だ。
ミランでの起用法はまだ分からないが、まずはテオ・エルナンデスの控え扱いという見方が強い。ただ、2023/24シーズン前半戦のミランは負傷者続出に頭を抱えており、複数ポジションを担当できるテッラッチャーノは、いきなりチャンスを得る可能性もありそうだ。
マメ知識
- 父アントニオとステファノ・ピオリ監督は、現役時代に2度チームメートだった。
- 「父からのアドバイスは一つだった。優れたサッカー選手とプロの違いは、頭とメンタルだけ」(ヴェローナ公式サイトのインタビュー)
- 父アントニオもヴェローナの下部組織出身。1989年にクラブは財政難で、放出を余儀なくされた形だった。その際、ヴィットーリオ・ヴェネト広場の噴水の台座に「テッラッチャーノはアンタッチャブル」と何者かがスプレーで落書きしたというエピソードが残っている。(ヴェローナ公式サイト)
- 2023年12月のウディネーゼ戦では、終盤にダルコ・ラゾビッチが交代した影響でキャプテンマークを巻いた。
- おじのステファノはヴェローナで精肉店を経営。「おじさんがいつも僕の健康を気遣った食事に必要なものをくれる」(ヴェローナ公式サイトインタビュー)
- その精肉店は、ヴェローナのホームスタジアムから車で5分程度の距離。