ジュニオール・メシアスとは…?セリエDからミランまで3年で駆け上がった男、転機は事故

ミラン加入が決まったジュニオール・メシアス。遅咲きなのは、理由があった。

ミランは8月31日、ジュニオール・メシアスの獲得を発表した。クロトーネから電撃移籍を果たしたMFは、どんな選手なのだろうか。

【2021夏セリエA移籍市場】ミランの主な移籍確定情報&基本フォーメーション

プロフィール

ジュニオール・メシアス
国籍:ブラジル
年齢:30歳
身長:174cm
所属クラブ:カザーレ→キエーリ→ゴッツァーノ→クロトーネ→ミラン
移籍金:260万ユーロ(レンタル料)+540万ユーロ(完全移籍OP)→100万ユーロ(ボーナス)

トップ下を求めていたミラン

ミランは今夏、ハカン・チャルハノールが契約満了で退団となり、インテルに加入した。これにより、トップ下の補強が必要となり、今夏のメルカートで常に話題となり続けたポジションだ。

だが、なかなかトレクァルティスタが見つからないミランは、移籍市場終盤になって、昨季クロトーネで活躍したメシアスに注目。オーナー陣が年齢を懸念して資金を出し渋る中、パオロ・マルディーニ、フレデリック・マッサーラ、両ディレクターが獲得を推したと言われている。ブレストのロマン・フェーブル獲得が失敗に終わったことで、再びメシアス獲得に動き、最終日にまとめた形だ。

2015年に4部でスタートも待ち受けたのは…

メシアスは遅咲きの選手。クルゼイロの下部組織で育ったあと、2011年に兄が暮らすイタリアに移住した。その後、4年は電化製品の販売員をする傍ら、あいた時間でアマチュアとしてプレーしていたという。

2015年にカザーレのエツィオ・ロッシ監督の目にとまって本格的にキャリアを始めると、2017年にはセリエBだったプロヴェルチェッリからオファーがあったというが、セリエB以下のクラブはEU圏外の選手と契約できないという規則があったため、移籍が実現せずに終わっている。

しばらく無所属が続いたメシアスは、2017年12月にセリエDのゴッツァーノに加入。ゴッツァーノ1年目で昇格に貢献したメシアスは、クラブとともにセリエCに昇格し、そこでの活躍が注目された。2018-19シーズンには外国籍選手が契約できないという法的な制約からも外れ、2019年に当時セリエBだったクロトーネに移籍する。

クロトーネ1年目で6ゴールを挙げる活躍を見せたメシアスは、クラブのセリエA昇格に貢献。昨シーズンはセリエA初挑戦にも関わらず、9ゴール4アシストの大活躍を見せた。クラブを残留に導くことはできなかったものの、存在感を放った。

転機はアルコールと事故、そして信仰

イタリア到着から変わったメシアスの運命。これはただの偶然ではなく、過去の過ちと、意識の変化が、メシアスの運命を変えたと言える。

『クロナケ・ディ・スポリアトーイオ』のインタビューで、同選手が自身の過去を語った。

「パーティー、パーティー、パーティー……。何年もの間、僕は外に出歩いて飲み歩いたていた。兄弟の結婚式があって、寝ずに行った。僕は完全に酔っていた。まわりはゆっくりいけと言っていたんだけど、僕はますます加速したんだ。少し目をつぶったら、次の瞬間――、だね。道を外れて、畑の真ん中だった。死んでいたかもしれないけど、誰かに助けてもらった」

「そこから、神様のおかげで考え方を変えることができた。もうお酒は飲まない。聖書はお酒が絶望を与えると言っているね。妻は僕が静かすぎて怒っているくらいだ」

酒浸りだった青年は、イタリアでアマチュアとしてプレーを始めてから約10年で、いよいよチャンピオンズリーグの舞台に立つ日が近づいている。

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