立て直しに意欲十分のユヴェントス新監督
ユヴェントスの監督に就任したイゴール・トゥドールが27日に会見を行った。過去に選手としてもアシスタントコーチとしてもユヴェントスに籍を置いていた新指揮官は、クラブをかつての姿に戻す意欲を持っている。
「まずは、この素晴らしいクラブを指揮するチャンスをくれたディレクターとクラブに感謝したい。全力を尽くす。誰も失望させたくないし、正しい仕事をしたい。ユヴェントスは誰もが指揮したいクラブだ。今の自分の感情はそのまま、情熱もある。良い結果を出したい。目標はみんなわかっている。チームの力を信じている。優れた選手がそろっている。時間は少ないが、言い訳はしない。自分の人生で言い訳をしたことはない。挑戦を探してきた。責任を持たせる選手たちを求めている。さあ、ここから始めよう」
ドゥシャン・ブラホビッチについて
「ドゥシャンは素晴らしい態度を見せてくれた。彼は本当に優れた選手だ。彼を指導できるのはうれしい。以前から彼について話してきたし、それは事実だ」
「得点力があり、理解力もあり、知的で、モチベーターでもある。最近は難しい時期にあったが、しっかり話をして意見も交わした。彼はやる気に満ちている。彼とコロ(・ムアニ)はどちらも力のある選手で、2人一緒にもプレーできるし、どちらか一方でも良い。重要なのは優れた選手がいること。監督は選手がいなければ何もできない」
ケナン・ユルディズとトゥーン・コープマイネルスについて
「才能がある者はどこでもプレーできる。監督が代わると選手も責任を感じるものだが、同時にすごく前向きで、やる気に満ちた姿も見えた。コープも同様だ。希少な特性を持った選手たちで、ゴールも奪える。ゴールに近い位置でプレーする選手は違いを生む。彼らがもっと力を発揮できるようなポジションを探していく」
チームのリーダーは誰?
「まだ出会って間もないからはっきりとは言えないが、確かに若い選手が多い。時代が変わってきて、20〜30年前とは選手の文化も違ってきている。個性があった時代とは少し違う。でも多くの選手がいる中で、チームの成長が少し遅れる原因にもなりうる。ここはユヴェントス。若かろうがベテランだろうが、強くなければならない」
「適切な人材を選び、正しい判断を下すこと。それがこのクラブがずっとやってきたことだ。私が7〜8年ここで過ごして感じた“文化”がある。デル・ピエロ、ジダン、モンテーロ……、そういう偉大な選手たちの謙虚さ、勝利への飢え。それが私の目指すものだ」
カピターノは?
「全員が責任を負わなければならないが、カピターノはロカテッリにする。他にも2〜3人、すぐに決めていく。彼は真面目で、人格もあり、適任だと思っている」
重視するのは?
「全ての要素に取り組みながらも、ある程度の“解放感”も必要だ。戦術面も大事だが、メンタル、意識、勢いも大切だね。何も疎かにはできないが、とにかく強い姿勢で取り組むことが必要なんだ」
3バックにするのか
「これまで4バックも3バックも使ってきた。マンツーマンもゾーンも使い分けてきた。重要なのは選手たちの特徴を見極めることだ」
ユーヴェはどう変わる? コープマイネルスの起用法は?
「比較はしない。自分のやり方でいく。まず練習で見て、土曜の試合に反映させる。まだ時間は少ないが、何かを見せたい。特にスピリットが欠けてはいけない。戦術的なことは2〜3週間あれば変化を出せる。コープマイネルスは能力があり、向上心もある。最大限に活かしたいし、必ずそうなると信じている」
ユヴェントスの“帰属意識”を初めて感じた瞬間は?
「昨日、ペリンに話したことなんだけどね。20歳のとき、ジダンがロッカールームにいた。自分の治療の順番になっても、彼が譲ってくれた。『君の番だろ?先に行きな』って。あと、練習後に靴下を適当に置いていたらデル・ピエロが『ちゃんと畳め、ロメオ(用具係)が大変だぞ』が言ったんだ。ちょっとしたことだけど、そういうのがこのクラブの謙虚さだ」
今の選手たちに必要なものは?
「人それぞれだが、まずはポジティブな雰囲気だ。それと同時に“ヘルメットをかぶってペダルを漕ぐ”くらいの覚悟が必要だね。プレッシャーがあるのは当然だが、焦らずに前進することが大事になる」
攻撃的なチームになるのか
「何も諦めるつもりはない。選手たちに楽しんでほしい。1点多く取るサッカーが好きだ。ただし、守備も同じくらい大事。両方バランスよくやらないといけない。今の時代、サッカーはより面白くあるべきで、観る人の期待も高くなっている。攻撃の方向に進むべきだが、バランスも忘れてはいけない」
ケフラン・テュラムの評価は?
「昨日リリアンと話したよ。『もし何か悪さをしたら、すぐビンタしてやれ』って冗談を言っていた(笑)。でも、ケフランは礼儀正しい選手だし、ニース時代から知っている。マルセイユ時代にも対戦したことがあるんだ」
チームからどんな感触を受けた?
「選手たちと話したり、様子を見たりして雰囲気を感じ取っている。気持ちやクラブへの帰属意識だけでは勝てない。もしそれで勝てるなら、一番熱いティフォーゾに監督をやらせればいい。でもそうはいかない。戦術的な面、モチベーションなどすべてが必要だ。クラブ全体で取り組む必要がある。選手たちは主役で、彼らの力を最大限引き出すことが必要だ。選手は監督のやり方を見て、ちゃんと理解している。信頼を得るか、失うか。それが勝敗に直結する」