ユヴェントスMFの復帰はいつに…
イタリアのアンチドーピング検察は7日、ユヴェントスのポール・ポグバに4年間の出場停止処分を言い渡したことが複数メディアで報じられた。イタリアメディアは8日、今回の決定や今後の流れについてまとめている。
開幕戦後のドーピング検査で陽性反応
ポグバは8月20日に行われた2023/24セリエA開幕戦のウディネーゼ戦に出場したあと、ドーピング検査を受けた。この検体から禁止されている成分が検出されたため、9月11日から暫定的な出場停止処分が始まっている。すぐにユヴェントスも年俸の支払いを止め、現在はイタリアの法律に則った最低賃金の支払いのみで、年間で4万ユーロ程度となっている模様だ。
10月にはBサンプルからも陽性反応が出ており、処分は解除されず。今月7日に調査を終えたアンチドーピング検察が、4年間の出場停止を言い渡した。当初はテストステロンの陽性反応と言われていたが、その後DHEA(蛋白同化ステロイド)が検出されたことが伝えられている。
処分確定ならCASへ上訴か
『トゥットスポルト』によると、ポグバは一部の非を認めることで、処分軽減を訴えることもできた。ただ、こういった取引に応じなかったため、処分軽減は一切なく、4年間という長期の停止処分になった。
ポグバとしては、完全に無実であり意図的な摂取ではないことを主張している。だからこそ、譲歩せずに今回の処分になったとされている。
ただ、このあたりも詳しいことは分かっておらず、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』や『スポルトメディアセット』は、おそらく司法取引のようなものは検察から提案されておらず、ポグバ側からの打診もなかったのではないかとしている。摂取したサプリメントのラベルに禁止薬物の成分が記されていたとされるため、故意でないことを証明するのが困難という判断だったとみている。
ポグバは今後、アンチドーピング裁判所の裁判を受ける予定。まだ正式な日程は決まっていないが、識者によると1月中旬から下旬にかけて、最初の公聴会が開かれる見通しだ。
ドーピング裁判所の判決が検察が決めたとおりの処分になった場合、次はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴することになる。ただ、そこに至るには、世界アンチドーピング機構(WADA)と国内のアンチドーピング機関(NADO)の承認を受けなければいけない。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、「CASに直接訴えるという選択肢はなかったのか」という点について「WADAとNADOの承認が必要だが、ポグバ側から要請はなかった模様。WADAがおそらく承認しないということは理解されていた」としており、この手続きも簡単ではないようだ。
様々な手続きをへてTASの判決が出るのは2025年半ば頃になるとも言われている。無実が証明されたとしても、ピッチに戻るにはかなりの月日がかかりそうだ。