セリエAデビュー直後にチャンピオンズリーグデビュー
ユヴェントスは25日、チャンピオンズリーグのベンフィカ戦を落とし、グループステージを突破できないことが決まった。
レオナルド・ボヌッチやフアン・クアドラードといった重鎮がファンをがっかりさせる中、終盤に登場して未来への期待を感じさせた選手もいた。その一人、サムエル・イリング=ジュニアは、どんな選手だろうか。
プロフィール
サムエル・イリング=ジュニア(Samuel Iling-Junior)
生年月日:2003年10月4日
国籍:イングランド
ポジション:ウイング
身長:182cm
これまでのキャリア
2003年生まれのイリング=ジュニオールは、2011年にチェルシーの下部組織に入団。U-15からイングランドの各世代別代表を経験してきた有望株で、2年間前の2020年にユヴェントスがほぼ無料で獲得した。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、当時からイリング=ジュニアは注目されていた。獲得した際は、ボルシア・ドルトムント、バイエルン・ミュンヘン、パリ・サンジェルマンも争奪戦にいたという。
ユヴェントスの下部組織で成長を続けたイリング=ジュニアは、今季に入ってからトップチームで練習を重ねる機会が増えた。ユヴェントスのリザーブチームで、今季セリエCで6試合に出場。左右のウイングを務めて3ゴール1アシストを記録し、その後は、トップ帯同が続いている。マッシミリアーノ・アッレグリ監督が注意深く追っている若手の一人で、第11節のエンポリ戦で途中出場し、セリエAデビューを果たしていた。
セリエAデビューからわずか4日後の10月25日、チャンピオンズリーグでデビュー。ベンフィカとのアウェーゲームで窮地に立たされたユヴェントスは、ラスト20分で19歳の若手を投入した。
すると、いきなり衝撃を与えた。左サイドでボールを持ったイリング=ジュニアは、縦への鋭い突破から正確なクロスを入れてアルカディウシュ・ミリクのゴールをアシスト。ベンフィカに敗れてどんよりとしたムードが漂うユヴェントスにあって、数少ない好材料となった。
チャンピオンズリーグデビュー戦のアシスト
プレースタイル
イリング=ジュニアは、トップチームでの初アシストが示すとおり、ドリブル突破が魅力的なウインガー。左利きではあるが、Bチームでは左だけでなく右にも入っており、どちらのサイドも苦にしないという評価だ。また、Bチームではファーサイドでヘディング弾というシーンもあり、空中戦も苦手としている感じはない。
鋭いフェイントからの縦へ抜け出しは抜群で、これは大きな武器。デビューしたばかりの若手というところで、これから相手が対策してきたときにどこまで通用するかがまだ分からないとしても、フィジカルにも恵まれているため、対戦相手にとっては厄介なはずだ。
ユヴェントスでの起用法
ユヴェントスはアレックス・サンドロとフアン・クアドラードが契約最終年。ベンフィカ戦のパフォーマンスを考えると、19歳のイリング=ジュニアに対する期待は自然と高まる。
これから復帰するフェデリコ・キエーザやアンヘル・ディ・マリアとの兼ね合いで出場機会が限られるようであれば、他クラブへのレンタルも選択肢になるだろう。