ユヴェントスが獲得した遅れてきたルーキー
ユヴェントスは1月31日、フロジノーネからフェデリコ・ガッティを獲得した。半年間のレンタルでフロジノーネに残るガッティは、どんな選手だろうか。
プロフィール
フェデリコ・ガッティ(Federico Gatti)
ポジション:DF
国籍:イタリア
生年月日:1998年6月24日
身長:190cm
6部でから一歩ずつ…
ガッティは23歳のセンターバック。ユヴェントスに加入するときには24歳の誕生日を過ぎているはずで、期待の若手というほどの若さではない。それには、相応の理由がある。長きにわたる犠牲があって、今のガッティがいるのだ。
ガッティはアレッサンドリアの下部組織でカルチョを学んだ。その後、2015年にプロモツィオーネ(6部相当)のパヴァローロでキャリアをスタート。そこから6年間で6つのカテゴリーを駆け抜けている。
2017-18シーズンはパヴァローロでエッチェレンツァ(5部)を戦い、ヴェルバニア、プロ・パトリア、フロジノーネと1つずつステップアップ。そしてユヴェントスに到達した。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はガッティの特長を「謙虚で勇敢な若者。並外れた労働文化の持ち主」と評した。これは、苦労人ゆえの強みと指摘している。
ガッティは10代の頃、経済的に裕福ではなく、大工として働いて家族を助けていた。それでもカルチョを諦めず、夜にトレーニングを重ねたという。
ガッティはプロ・パトリアに加入した2020年、自身のSNSでプロ初契約の感謝を示しつつ、こう記していた。
「2年前に壁をつくって窓をはめ、夜に凍った寒いピッチで練習していた僕が、プロ契約を交わした。それは、ポジティブなこともネガティブなことも、全部経験として役立っているからだと思う。そのためにいろいろなことを諦めて、全てと戦ってきたんだ」
プレースタイル
その姿勢は、彼のプレーにも表れている。
ガッティの武器は、やはり圧倒的なフィジカルを前面に出す対人力。190cmの長身は攻撃のセットプレーでも存在感抜群で、今季のセリエBで3ゴールを挙げた。ボールの奪い方やどん欲なプレースタイルから、早くもジョルジョ・キエッリーニと比較する声もある。
また、右足のフィードも魅力の一つ。正確なロングパスは、フロジノーネの攻撃の起点になってきており、こちらも期待が持てる。
ユヴェントスの次代を担えるか
ジョルジョ・キエッリーニ、レオナルド・ボヌッチの年齢が年々気になるユヴェントスは、マタイス・デ・リフトの去就も不透明。ガッティがもたらすハングリーさは、いまのユヴェントスが求めるものかもしれない。