アタランタ戦の判定ミスは、審判団の無意識下の反逆?
セリエA第29節、首位インテルとアタランタによる上位対決は1-1のドローに終わった。前節のミラノダービーで敗戦を喫していたインテルにとって、スクデット獲得へ向けて再加速するためにも、本拠地で白星を取り戻したい一戦であった。しかし、この試合の結果以上に波紋を広げているのが、終盤に起きた2つの不可解な判定である。
82分、自陣でカマルディーン・スレマナと接触したデンゼル・ドゥンフリースが転倒したが、ジャンルカ・マンガニエッロ主審の笛は鳴らなかった。このプレーの流れからアタランタの同点弾が生まれている。さらに88分、敵陣ペナルティーエリア内でダヴィデ・フラッテージがジョルジョ・スカルヴィーニに蹴られたように見えた決定的な場面でも、ファウルは宣告されなかった。
ドゥンフリースに対する接触は、映像で見る限り軽度であったため、主審の判断を受け入れる意見が多い。だが、フラッテージに対するプレーについては、識者の見解は「ほぼ満場一致」と言えるものだった。
識者が指摘するPKの正当性
元イタリア代表のチーロ・フェラーラは、『DAZNイタリア』で「アタッカーが先にボールに到達し、接触がある。ステップオンフットはルール化されており、これがPKにならないのは論理外だ」と断言。エマヌエーレ・ジャッケリーニも「フラッテージが先にボールに触れている。誰が先に到達したかという原則が適用されるべきだ」と同調した。
『スカイ』のコメンテーターを務めるアレッシオ・スカルキッリは、「明らかなエラー。PKが試合を決める可能性もあったシーンだ」と審判団のミスを厳しく指摘。ドゥンフリースの判定を支持したルカ・マレッリ審判解説でさえ、「解釈の余地がある場面」としつつも、接触の事実そのものは否定していない。
審判団の心理に落とされた影
一方で、スカルキッリはフラッテージ自身の振る舞いにも言及している。
「ファウルを受けた際の選手の反応も見直すべきだ。フラッテージは確かに接触を受けていたが、足をもぎ取られたかのように倒れた。こうした大げさな態度は、以前からこの世界にはびこっているとしても、こうした狡猾なプレーには罰則が必要だろう。今回、インテルが不利益を被ったのは事実だとしてもだ」
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のルイジ・ガルランド記者も、同様の文脈で指摘を残している。
「バストーニのあの行為が審判の頭の中に、おそらく無意識のレベルで重くのしかかっているのではないかと疑うこともできる」
これはもちろん、第25節のユヴェントス戦において、アレッサンドロ・バストーニの過剰なリアクションがピエール・カルルの退場を誘発した騒動を指している。
あの一件以来、バストーニはアウェーゲームのたびに相手サポーターから激しいブーイングを浴びる事態が続いていた。サン・シーロのアタランタ戦では、インテルのティフォージたちが彼への全面支持と連帯を表明していたが、審判団の心象までは拭い去れていなかったのかもしれない。
スクデット争いの佳境で失った勝ち点2は重い。翌日の試合でミランがラツィオに敗れたことはインテルにとって救いだが、ピッチ上での選手の振る舞いが、巡り巡って審判の心理に影を落としているのかもしれない。
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