身長197cmの「火星人」。フランス、ベルギーを経てイタリアで開花した急成長株
インテルは冬のメルカート最終日の2月2日、セリエBのモデナからヤニス・マソランを獲得したことを発表した。移籍金350万ユーロで獲得を決めたあと、即座にモデナにレンタルしており、合流は来シーズンとなる。
そんな注目のMFは、どのような選手なのか。イタリアメディアの評判をもとに、そのキャリアや特徴を紹介する。
プロフィール
ヤニス・マソラン(Yanis Massolin)
- 生年月日:2002年9月20日(23歳)
- 国籍:フランス
- 身長:197cm
- ポジション:MF
- 利き足:左足
これまでのキャリア
フランスのムーランで生まれ、エヴィアンやスイスのメイランなどのユースで育つというやや特殊な下積み時代を過ごした。2021年にフランス4部のムーラン・イェウールでシニアキャリアをスタートさせると、翌2022年にはリーグアンのクレルモンへステップアップし、プロデビューを飾る。
その後、ベルギー2部のフラン・ボランへ移籍して2シーズンで40試合以上に出場して経験を積むと、2025年夏に70万ユーロの移籍金でセリエBのモデナへ加入した。イタリア挑戦1年目にして急成長を遂げ、半年でインテルへの“栄転”を勝ち取ったシンデレラボーイだ。
苦悩の末の「フロジノーネ戦」での一撃
転機となった劇的な同点弾
2025年夏にモデナへ加入した当初、マソランはイタリアの戦術やリズムへの適応に苦しんだ。開幕からの7試合では出場時間わずか1分で、ベンチを温める日々が続いた。
しかし、転機は突然訪れる。11月のセリエB第12節フロジノーネ戦、1-2とビハインドを背負った場面で77分に投入されると、試合終盤に劇的な同点弾を記録した。
強豪相手に見せたこのビッグなインパクトにより信頼を勝ち取ったマソランは、12月以降レギュラーに定着。8試合連続でスタメン出場するなど、チームにとって欠かせない存在へと変貌を遂げた。
プレースタイル
ラビオを彷彿とさせる大型レフティー、だがその実は…
197cmという圧倒的な長身と「左利き」という特徴、さらに髪型やエレガントなプレースタイルから、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などの主要メディアは現ミランのアドリアン・ラビオと比較するが多い。しかし、そのプレースタイルはより攻撃的でユニークで、「ラビオとは違う」「12年越しに獲得したヤヤ・トゥレ」という声もある。
- ポジションのユーティリティ性:現在は3-5-2のインサイドハーフを主戦場とするが、過去にはトップ下やセカンドトップ、さらにはFWとしてもプレーしており、攻撃的なセンスが高い。
- 繊細なテクニック:巨体に似合わず足元の技術に優れ、狭い局面でのドリブル突破や、正確なスルーパスでチャンスを演出する。『FcInterNews』は、かつてインテルに在籍したリッキー・アルバレスを彷彿とさせる独特な「間」を持つ選手とも評されている。
- セットプレーのキッカー:身長197cmであれば通常はゴール前でヘディングを狙う役割を期待されるが、彼はCKのキッカーを任されることがある。これも彼のキック精度の高さを示す珍しい特徴だ。
なぜインテルはマソランを獲得したのか
競合を制して確保した「未完の大器」
最大の理由は、その計り知れないポテンシャルと成長速度にある。モデナのカルロ・リヴェッティ会長は彼を「火星人(マルツィアーノ/突出した才能を指すときによく使われる表現)」と呼び、「何ができるか信じられないレベルだが、まだ非常に未熟。伸びしろが凄まじい」と絶賛している。
また、他クラブとの争奪戦を制する必要があったことも背景にある。ボローニャの名物SDジョヴァンニ・サルトーリもマソランの視察に訪れており、才能ある若手を安価なうちに確保しようとするインテルの戦略的な動きが見て取れる。350万ユーロという投資は、将来の市場価値高騰を見込んだオークツリーが望んだものとも言えるだろう。
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