ミラノダービーで見せた“序列変化”の兆し
23日のミラノダービーで敗れたインテルだが、ある選手の登場が、停滞していた右サイドの競争に一石を投じた。
試合終盤にピッチに立った新戦力アンディ・ディウフは、限られた時間で鮮烈なパフォーマンスを披露。クラブ内でのポジション争い、さらには冬の補強戦略にまで影響を及ぼしかねないインパクトを残した。
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インテルは、23日のミラノダービーで主力のデンゼル・ドゥンフリースを負傷で欠いた。マッテオ・ダルミアンも復帰途上にあり、順当にいけばルイス・エンヒキを起用する状況だったが、本職左サイドのカルロス・アウグストがスターティングメンバーに選ばれた。適応が遅れる新戦力よりも、守備の安定感を優先しての起用だったが、慣れない右サイドでは本来のパフォーマンスを発揮できず、チームは苦戦を強いられた。
まさかのディウフ投入とその成果
こうした状況下で、クリスティアン・キヴ監督が終盤に送り出したのがディウフだった。今年夏にランスから加入したばかりの21歳は、セリエAでの出場時間がこれまでわずか26分。だが、この日は4-2-4気味の攻撃的布陣の中、右サイドから果敢に仕掛けを見せ、可能性を感じさせた。
得点が求められる展開で、ルイス・エンヒキではなくディウフが選ばれたことは、多くのサポーターにとって意外だった。
キヴ監督は「突破力」を評価
試合後、キヴ監督はこう語っている。
「今夜は良いものを見せてくれた。我々としても、彼のチームへの溶け込み方には満足している。今夜は相手を突破できるタイプの選手が必要だった」
これは、本来ルイス・エンヒキに期待されていた役割だったはずだ。だが、その役割でディウフが起用された事実と、指揮官のこの言葉は、右ウイングバックの序列に変化が生じた可能性を示唆している。
補強方針にも影響?
インテルはこの夏、フィジカルの強い中盤の補強を模索し、ローマのマヌ・コネに接触していたが実現には至らず。その後、ディウフの獲得に至った。
だが、もし今後ディウフを右サイドのオプションと見なすのであれば、冬の移籍市場における補強ポイントは再考を迫られるだろう。ディウフがサイドの一角として計算できる存在となれば、求められるのはむしろ中盤の厚みかもしれない。
右サイドで新たな選手構図が見え始めた今、インテルの補強戦略もまた、微調整を余儀なくされる可能性がある。

