「何でもかんでも審判のせいにするのではなく…」
ジャンルカ・ロッキ審判委員長が21日に『スカイ』の番組に出演し、今季のジャッジに言及した。また、ミラノダービーでシモーネ・ソッツァを主審に選んだことにも触れている。
シモーネ・ソッツァの選出
「国際的にも成長してきている審判で、非常に信頼できる人物だ。彼がミラノ出身であることが問題になるとは考えていない。出身地をめぐるタブーも、すでに乗り越えられたものだと捉えているし、クラブ側からもその点で不満の声は出ていない。今は“質”こそが最も大事だ。多少の偏見は残っているかもしれないが、それはもはや民間伝承的な話だ」
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「顔への接触があったかもしれない場面について、大げさに振る舞わないようお願いしている。というのも、審判の厳格な対応は選手たちを守るためにあるからだ」
「腕や肘で相手の顔を打った選手に警告を出すのは、その安全を守る目的がある。しかし、それを逆手に取って相手を出場停止に追い込もうとすれば、それは結局、選手自身に跳ね返ってくるブーメランになる」
「実際には起きていない行為を理由に、同じ選手仲間に警告を与えさせるよう仕向けるのは、カルチョを愛する誰から見ても容認できない。これはシステムそのものに対する裏切りであり、審判を欺くだけでなく、カルチョの仕組みに反している。選手たちには、この問題がどれだけ繊細かを理解してほしいし、何でもかんでも審判のせいにするのではなく、協力的な姿勢を持ってもらいたい。私は問題が起きてから対応するよりも、未然に防ぐ方を選びたい」
シーズン序盤のミスとVARの使用
「VARに関して、我々は多くのミスをしてしまった。もっと改善が必要で、VARはあくまで補助であって、審判の代わりにはなれないと考えている」
「私の若い仲間たちにも伝えているが、ピッチ上で最終的に決断を下すのは主審だ。VARを有効に使う必要があるが、我々は回避できたはずのミスも犯してしまった。ただ、ポジティブな面としては、若い審判たちが成長してきていることが挙げられる。彼らはセリエAの舞台でも素晴らしい試合を裁いている。改善が必要な点に取り組むことに不安はあるが、若者たちの成長を見ているとやる気が湧いてくる」
実質プレー時間とアディショナルタイム
「前提として、実質のプレー時間を決めるのは我々審判ではない。ただ、ここ数年でVARや5人交代、今季はさらにアナウンスという要素が加わっていることは確かだ」
「私の感覚では、今の方がプレー時間は増えており、おそらくフィジカル面での負荷も高くなっている。プレー時間の平均はここ数年で下がっている傾向にはあるが、このテーマはチーム側とも話し合うべき内容だと思っている」
「プレーのテンポやファウル数を決めているのは審判ではなく選手たちだ。その点で、我々のリーグと欧州の舞台では違いがある。問題にすべきは“審判の質”であって、ファウル数がプレー時間に直結するわけではない」
「たとえばローマ対インテルの試合では47回のファウルがあったが、実質プレー時間は55分で平均を上回っていた」
「アディショナルタイムの計算方法は比較的シンプルだが、もっと長くなる場合もあるし、そこは改善の余地がある。問題は『1分短くなること』であって『1分長くなること』ではない」
「私はプレー再開を素早くするよう求めている。優れた審判とは、できるだけ早く試合を再開させる審判だ。我々は試合のテンポを上げる存在であるべきだ。私たち自身の“メンタルの怠慢”が、試合に無駄な時間を生んでしまっている」

