練習場近くの事故で衝撃
インテルは29日に行われたセリエA第9節フィオレンティーナ戦で快勝したが、前日から難しい時期を過ごしていた。特に、ジョゼップ・マルティネスの精神状態は心配なところだ。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が28日に起きた事故の詳細を報じている。
ジョゼップ・マルティネスは28日午前にインテルの練習場近くで交通事故を起こした。この事故で81歳の男性パオロ・サイベネさんが亡くなった。
同紙によると、電動車いすを運転していたサイベネさんは、不自然にふらついたあと、突如進路を変えた。ジョゼップ・マルティネスは急ブレーキをかけたが衝突は避けられず。接触したあと、後続車を運転していた女性とともに救助を試みたが、かえらぬ人となってしまった。
精神的ショック
同紙によると、ジョゼップ・マルティネスにケガなどはなかったが、精神的にはかなりのダメージを負っている。
事故後、アッピアーノからチームドクターやチームマネジャー、セキュリティ担当が駆けつけ、選手をサポートした。またチームメートの数人も現場へ行き、動揺するジョゼップ・マルティネスに声をかけた。
その後、現場へ行った選手たちがアッピアーノに戻ってチームに報告するなどし、14時に予定されていたクリスティアン・キヴ監督の会見は中止となった。
ジョゼップ・マルティネスが自宅に戻ったのは18時頃で、そこにはクラブが用意した心理カウンセラーが待っていたという。事故のショックからジョゼップ・マルティネスは話すことも困難な状態だったとされている。
クリスティアン・キヴ監督やチームメートからはすぐに電話やメッセージが届き、チーム全体でサポートする態勢を整えている。ジョゼップ・マルティネスはすぐにInstagramのアカウントを削除。今回の件が事故であっても、心ない人々から攻撃の対象になる可能性があるため、このような判断に至ったとされている。チームへの再合流は来週になる見込みだ。
クラブはまだ遺族と面会をしていないが、数日中に哀悼の意を伝える予定だという。
事件性はあるのか
交通事故で死者が出てしまったため、ジョゼップ・マルティネスは過失致死罪の容疑で捜査対象となる。過失が認められた場合は、2年から7年の禁錮刑となる。ただ、被害者が予測不可能な進路変更をしたことが確認されれば、不起訴処分になることもある。捜査が終わるまでには数カ月かかる模様だ。
警察からの正式な発表はないが、『ガゼッタ』によると、ジョゼップ・マルティネスが運転する車は70km/hの制限速度を超えていなかったとみられる。
なお、運転していた車は、今シーズンからインテルがスポンサー契約をした中国BYD製のSUV。ジョゼップ・マルティネスはこの車を運転するのが2度目だったと伝えられている。
マロッタ会長「お悔やみ申し上げます」「不幸な出来事だった」
インテルのジュゼッペ・マロッタ会長は29日に行われた冬季五輪に関するイベントに出席した。『ANSA通信』が、この事件についてのコメントを伝えた。
「重大でデリケートな出来事だ。亡くなられた方のご家族に心よりお悔やみ申し上げます。そして、我々がよく知っている選手にも寄り添っている」
「これは不幸な出来事であり、残念ながら日常の中でも起こりうること。この悲劇的な出来事からも、何かしらの教訓が得られることを願っている」
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