イタリアダービー敗戦を払しょく
インテルは17日、UEFAチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第1戦でアヤックスと対戦し、2-0で快勝した。
ユヴェントスに敗れて批判が強まる中、インテルはコンディションが万全ではないラウタロ・マルティネスが先発を外れ、フランチェスコ・ピオ・エスポジトが起用された。
一方で、予想されたダヴィデ・フラッテージやジョゼップ・マルティネスのスタメン入りはなく、最終ラインにステファン・デ・フライが起用された程度の変更だった。
立ち上がり30分ほどは精彩を欠いたインテルだが、前半終盤はチャンスをつくった。マルクス・テュラムが獲得したPKは、ファウルの前にテュラムが相手のユニフォームを引っ張っていたため、オンフィールドレビューで取り消しとなるが、42分、47分と、CKからヘディングで決めると、その後は冷静に試合をコントロールし、2-0で白星スタートを切った。
Mad in Italy|イタリアの“遊び心”をまとうメガネとサングラスの哲学【イタリア企業とコラボ】インテル、アヤックス戦の主な採点
ヤン・ゾマー
FcInterNews:7 – ユヴェントス戦後の手厳しい批判を乗り越え、再び守護神として立ちはだかる。ゴッツとの1対1では、精密なタイミングで完璧なセーブを見せ、失点を阻止。直後にテュラムが先制点を挙げただけに、このプレーは試合の流れを決定づけた。今回の勝利は彼と、彼を信じた人々の功績。
TMW:7 – SNSの時代にあって、批判を受けた直後に先発で信頼されることがニュースとも言える。0-0の場面での低い位置への飛び出しは失点を防ぐスーパーセーブ。試合終盤の判断には疑問も残したが、評価は高い。
ハカン・チャルハノール
FcInterNews:7 – 週末の爆発的な攻撃とは異なり、今回はバランスを意識したプレーに徹した。ポジショニングやビルドアップでチームに落ち着きをもたらし、攻守のつなぎ役として機能。板倉滉のブロックで得点こそ逃したが、CKで2度テュラムに完璧なクロスを送り、存在感を示した。
TMW:7 – セットプレーのキック精度は今に始まった話ではないが、やはり大きな武器。中盤の中心としての役割を再確認させる活躍で、キヴ監督にとって“外しづらい選手”であることを改めて印象付けた。
ヘンリク・ムヒタリャン
FcInterNews:6 – トリノ戦に続いて精彩を欠いたが、キヴ監督は再び先発起用。しかし、その判断に応えるには至らず、特に守備時のポジショニングや技術面でミスが目立った。ソンマーが決定機を防いだ場面も、彼のパスミスが原因。ただし守備への切り替えでは貢献し、最低限の評価は得た。
TMW:5.5 – 4試合中3試合でスタメンと起用され続けているが、この日は出足も鈍く、危険なプレーの原因にもなった。ただし後半は徐々に動きが改善した。
(→69分) ダヴィデ・フラッテージ
FcInterNews:6 – 久々の出場ながら、テンポの良いプレーで中盤を活性化。プレスでも積極的に動き、CKからヘディングで得点に迫る場面も。
TMW:6 – 出場時間は限られたが、ムヒタリャンよりも機動力があり、チームに良いリズムをもたらした。
フェデリコ・ディマルコ
FcInterNews:6.5 – チャンピオンズリーグらしい強い気持ちで試合に入る。技術的なミスもあったが、セカンドボールへの反応や攻撃参加の意欲は評価に値する。特に守備時のポジショニングが良く、バストーニを孤立させなかった点が光った。
TMW:5.5 – ベテラン勢の中でも特に疲労が見える選手。かつての勢いは鳴りを潜め、今回も迫力不足な印象が否めない。
マルクス・テュラム
FcInterNews:7.5 – どのような感情を表現しようが自由、それだけ圧巻のパフォーマンスだった。フィジカルとスピードでオランダDF陣を圧倒し、エスポジトと連係しながら攻撃を牽引。VARで取り消されたPKもあったが、CKからのヘッドで先制点を奪い、後半には再びゴールを決めて試合を決定づけた。
TMW:7.5 – イエローカードや幻のPKなど、不安要素もあったが、それを払拭するように2得点。空中戦を制して勝利をもたらし、今季早くも5ゴール目。昨季序盤の姿を彷彿とさせる復調ぶり。
フランチェスコ・ピオ・エスポジト
FcInterNews:7 – ゴールこそなかったが、ヨーロッパの舞台で自身の特長を存分に発揮。ポストプレーやボールキープ、味方への展開、すべてにおいて高水準のプレーを披露。若手ながら高い戦術理解度を持ち、チームのリズムを落とすことなく貢献した。
TMW:6.5 – まだまだ伸びしろは大きいが、初のCLという大舞台で堂々たるプレー。ラウタロの代役という重責を担いながらも、ポストや展開力に優れた動きを見せた。
クリスティアン・キヴ監督
FcInterNews:7 – ユヴェントス戦の敗戦を引きずらず、主力の多くを継続起用。エスポジトをラウタロの代役に指名した采配も的中し、ゾマーへの信頼を行動で示したことで守護神も躍動。落ち着いた内容でアウェーの地でも勝利を手繰り寄せ、シーズンの流れを変える可能性を感じさせた。
TMW:7 – ヨーロッパ初戦で確実に勝ち点3を持ち帰った点が何よりの成果。前半は静かな展開だったが、セットプレーを活かして流れを変えた。戦術的な浸透はまだこれからだが、結果と内容の両方で評価されるべき一戦。