一人の人間として選手とのコミュニケーションを重視するインテル指揮官
インテルのクリスティアン・キヴ監督が28日、新シーズンに向けた会見に臨み、幅広いテーマについて語った。『FcInterNews』などが伝えている。
ハカン・チャルハノールの残留が決まった。強力なグループを持てることで仕事がしやすくなるのでは?
「ここ数年でこのグループが成し遂げてきた成果こそが、その証だ。チャンピオンズリーグ決勝に2度、ヨーロッパリーグ決勝にも1度進出した勝者のチームであり、それは堅固なグループであることの証だと思っている」
キヴ監督のカルチョはどんなスタイルに?
「システムやフォーメーションは、あくまで数字に過ぎない。大事なのは原則だ。我々はアグレッシブで縦に速く、バランスのあるチームを目指している。試合やシーズンの流れを理解し、それを活かして結果を出していくつもりだ」
試合ごとにスタイルを変える柔軟なチームを目指す?
「もっと予測不可能でハイブリッドなインテルを目指している。それができる力はあるし、試合ごとに柔軟に対応できるチームになりたい」
トリプレーテ時代のチームには、ヘッドギアを被って戦う選手もいた。今の選手たちに何を求める?
「仲間、自分自身、そしてクラブに対するリスペクトを求めているし、それは当然のこととして要求する。すべてはそこから始まる。困難や疲労のある瞬間を乗り越える意志、そうした状況を切り抜ける力が必要だ。このグループは、それができることをすでに証明している。苦しい状況でも前に進み、何か大きなことに挑戦できる。私たちがかつて経験したシーズンも浮き沈みが多かったが、それをどうマネジメントするかが大切だ」
あなたのインテルにスローガンはあるか?
「我々には誰かを真似たり、スローガンを掲げたりする必要はない。ただ競争力を保ち続けたいだけだ」
アメリカ遠征で、特に印象に残ったことは?
「エネルギーが少なく、悔しさもあった中で、それでも結果を求めて全力を出していたチームの姿だ。我々はすぐに、期待値が常に高いことを理解していたし、常にベストを尽くさなければならないと分かっていた。3週間ホテルに缶詰めのような状態で、気候の変化もあって移動は大変だったが、それでも選手たちは限界まで力を出してくれた」。
現在のチームはもう完成されているのか、それともまだ補強が必要か?
「私とクラブは常に連絡を取り合っていて、このチームの将来や移籍市場における戦略を共有している。密接に協力しているし、方向性も一致している。市場はまだ1か月あるから、どんなチャンスにもオープンでいる」。
ジョヴァンニ・レオーニとフランチェスコ・ピオ・エスポジトについて、人間的な面ではどう見ている?
「どちらも素晴らしい人間性だと思うし、将来的にはイタリアサッカーの中心になる存在だと信じている。彼らは長い間、イタリア代表を背負っていくはずだ」
“キヴのインテル”になるには、どれくらい時間がかかる?
「私は監督として、そして元選手としてこう考えている。すべては選手次第だ。監督はアイディアを伝え、アイデンティティを与えるが、本当に重要なのはピッチで選手が何を見せるかだ。優れた選手なしに、優れた監督はいない。今も、そしてこれからも変わらない真理だ」
チャルハノールは異なる役割も担えるか?
「何を知りたいのかな? 中盤の人数? フォーメーション? 中盤には多くの選手がいて、どれもレベルが高い。2人でやる試合もあれば、3人でやる試合もある。誰を使うかは週ごとのパフォーマンスや相手チームに応じて決めていく。チャルハノールに関しては、健康な状態で戻ってきてくれたことをうれしく思っている」
「彼は夏の間も非常によくトレーニングしていたし、今は完全にチームの一員として戦う準備ができている。アメリカ遠征では出られなかったことをとても悔しがっていたし、我々としても2戦目には彼がいることを期待していた。ここ3週間、本当にハードに取り組んできたし、今日も非常にいい状態だった」
中盤の選手たちは3トップに適応できるのか
「私は3トップでプレーすると言ったことはない。話しているのは中盤のことだけだ。数字というのはただの数字に過ぎない。これまでこのチームのベースは常に3-5-2だったが、実際には多くの試合でビルドアップは4バックで行っていた。相手がどうプレッシャーをかけてくるか、どこから仕掛けてくるか、どこで打開したいかによって変わる」
「重要なのは、その場の状況をどう解釈するか、どれだけアグレッシブになれるか、相手をどう崩すか、1対1をどう勝きちるかだ。1対1に勝ったチームが試合にも勝つ。そこに集中している」
自身はどのようにしてチームに影響を与えるつもりか?
「私は常識、闘志、怒り、笑顔、そして相手チームに対する準備で影響を与えたい。私が自分について語るとき、それはスタッフ全体のことも含めている。選手たちを理解し、彼らと会話を重ねることが必要だ。我々はしばしば、選手に多くを求めるが、彼らもまた問題を抱える人間だということを忘れてはならない」
「彼らの悩みを理解し、どう解決するかを考えるべきだ。私は“監督”というより、“一人の人間”がもう一人の人間に何かを与えることに価値があると思っている。だからこの仕事のやり方、そして生き方が気に入っている。コミュニケーションは非常に重要で、それが私が6年間ユースで働いた理由だ。当初、私はこの仕事に自信がなかった。時間をかけてエンパシーを育み、それがどういうものかを理解した。パルマでは成熟した選手たちと仕事をする機会があり、今もまたそうした選手たちと向き合っている」
長い間優勝候補とされてきたが、新シーズンは“非本命”としてスタートすることが有利になるか
「私は“本命”とか“優勝候補”とかいう言葉には興味がない。私が知っているのは一つの道だけだ。それは“働くこと”、そして“全力を尽くすこと”。その文化を理解し、シーズンの困難を乗り越えてこそ、最後に得るものがある。誰が本命かという話に意味はない」
「もちろん、セリエAにはタイトルを目指すクラブがいくつかある。それは口では簡単に言えるが、大事なのは行動だ。本当に結果を出すには、黙々と、地道に取り組んでいくしかない」