ジャンルカ・ロッキに内部から批判
『arbitri.com』に掲載された審判のドメニコ・ロッカの書簡が話題になっている。
最近のセリエAでは、審判のジャッジが特に注目を集めており、ロッカはその中で、現在イタリア審判委員会(CAN)の責任者であるジャンルカ・ロッキを名指しで批判した。
ロッカはこの書簡の中で、「私に審判の技術と審判協会の在り方を教えてくれたのはステファノ・ファリーナだった。彼は『技術部門の判断は無条件に信頼すべきものだ』と教えてくれた。そして、それはあなたたちが来るまでは確かにそうだった」と冒頭に記した上で、現体制の審判評価基準がそもそも不平等だと綴った。
ロッカは、最近発生した複数の疑惑のジャッジについて言及。その中で、ヤン・ビセックに対するPKが与えられなかったインテル対ローマの判定にも触れた。
「ウディネーゼ対パルマでは、監視役だったロッキがVARルームを叩き、VARのパテルナとアシスタントVARのソッツァに注意し、VARを介入させた。一方で、インテル対ローマでは監視役のジェルヴァゾーニが何もせず、明らかなPKを見逃したままだった。これはインテルのスクデットレースに直結する重大なミスだった」
審判団の能力は、技術委員と監視役の評価に基づいて、各試合で採点される。これに基づいて、担当カテゴリーなどが変わってくるが、ロッカは今季の担当試合がセリエA1試合、セリエB13試合で、「全員が同じ試合数で評価されなければ平均はゆがみ、(審判カテゴリーの)降格が不公平に決まる」と主張。
さらに、
「シーズン終盤のスペツィア対クレモネーゼ戦で、私は完璧なパフォーマンスをした。技術委員のマルキは終始無言で、あとから8.40の評価だけが送られてきた。おそらく、全体の内容が悪く、“整理対象”になったのだろう」
と記し、審判協会側に「スペツィア対クレモネーゼのオフサイド画像の提供」など複数の要望を出した。
そして、「5日以内に回答がなければ、関連する協会当局および法的機関に訴える意向です。すでにモラルハラスメントとして訴え得る要素も多数存在し、政治的な偏向を排除した正義の裁きを望む」「リッツォーリを解任しロッキを就任させた選択が、組織の腐敗と信頼の失墜を招いたという事実がある。私は協会を愛するからこそ行動します」と締めくくった。
ロッカは、審判員の評価が不透明かつ公平性を欠いており、ミスを犯した審判に対して一部では救済的な評価が与えられている点を問題視。審判協会が審判のキャリアを不当に左右している現状に強い懸念を示している。
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