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「個では劣っていても…」バストーニ、インテルの信念と自身の進化に自信

トリプレーテ時代と共通点を感じる

インテルのアレッサンドロ・バストーニが18日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで様々なテーマについて語った。

バイエルン戦のあと、よく眠れた?

「そんなにだね。アドレナリンが出まくっていたから。でも、こういう眠れない夜ならいくらでも歓迎だよ。夢は見なかったけど、夢を見るまでもなかった。現実がそれ以上に素晴らしかったからね!」

「インテルで過ごした中で、美しい夜のトップ5に入る。試合前は、誰もがバイエルンの突破を当然と思っていたし、優勝候補の一角だった。それを倒したということは、僕たちが本当に強いチームであることの証明だと思うよ」

ミュンヘンでもミラノでも失点のあとに反応した。ラウタロが言っていた「でかいモノ」は本当?

「うん、あるね。でも何より、僕たち自身が自分たちを一番信じているんだ。世間がインテルをどう見ていようと、僕たちの中には強い自信がある。個々ではほかにもっとすごい選手がいるかもしれないけど、チームとして一体になれば、誰にでも立ち向かえるって分かっている」

●ラウタロ・マルティネス「インテルにはでかい根性がある」

バイエルン戦で気持ちが揺らいだ瞬間はあった?

「いや、ずっと突破できるって思っていた。自分たちがここまで来たのは偶然じゃないって、世界に証明したかった。その気持ちでピッチに入ったし、自信を持っていた」

イスタンブールのあとで、再挑戦のモチベーションは?

「もちろん。僕たちのキャリアは永遠じゃないし、またCLの準決勝に出られるか分からない。だから、このチャンスはつかまないと。イスタンブールの感情をもう一度味わいたいけど、今度は逆の立場がいい。それを実現するために、すべてを出すよ。イタリアのクラブがベスト4に入ることはめったにない。でも僕たちは4年間、休まずにやってきた。夏に20日しか休めないなんて、もはや休暇とは言えないよね」

インテル対バイエルンを一枚の絵にするならどのシーン?

「ファーストレグに戻って、2-1としたときのゴールかな。あのとき、流れは完全に向こうにあった。でも、そこで僕たちは心理的にも大きなメッセージを発したと思う。1-1に満足しなかった。それをバイエルンも感じて、ちょっとダメージを受けたんじゃないかな」

ラウタロが言っていた「でかいモノ」以外に、インテルの特別なところは?

「テクニックもクオリティもあるよ。ここ数年で、バイエルンほど強烈なプレッシャーをかけてきたチームはほかにいなかった。でもファーストレグもセカンドレグも、僕たちは堂々とボールを持ってプレーできたし、彼らを苦しめることができた。それに全員で苦しむ覚悟がある。前線の選手も含めてね。でも、同時に美しいカルチョだってできるんだ」

ベスト4の中で、インテルだけが多様な戦い方ができると?

「その通りだと思う。それに言いたいのは、個人の能力ではほかの3チームに劣っているかもしれないけど、チームとしてならどこにも勝てるってこと。逆に、助け合いをやめたら、簡単に沈む危険もある」

君のサイドにはラミン・ヤマルという天才が来るけど、彼やバルサをどう止める?

「分からないな、EUROの時はあまりうまくいかなかったしね…(笑)。でもバルセロナには明確なアイデンティティがある。多少のスキはあるかもしれないけど、相手にする時はチーム全体で守らないと。これまでにも強力なウイングと対戦してきた。例えばバイエルンのオリーセやサネ、グループステージではアーセナルの選手たちもそうだ。それでも、集中力とフィジカル、両方で100%を出せば、彼らを苦しめることができる」

2010年のバルセロナ対インテルはどこで見ていた?

「2試合とも家で見ていたよ。ただただ“地獄のような時間”だったのを覚えている。完全な苦しみだった」

今のインテルとトリプレーテ時代のインテル、似ているところは?

「どちらにも“苦しむことを厭わない”気持ちがある。サミュエル・エトーがサイドバックみたいに戻っていた姿を覚えている。今はラウタロやテュラムがそれをやっている。困難なときに団結できる力、勝負どころで相手にダメージを与える力、1つの試合の中にいくつもの試合があると理解する力、全部僕たちにもある」

『transfermarkt』では世界で最も市場価値の高いDF(8500万ユーロ)とされている。左CBとして高い評価を受けているが、イタリア代表ではポジションが違う

「カラフィオーリも同じポジションにいて、本当にすごくうまい。スパレッティ監督の考えは、とにかく質の高い選手を全員ピッチに並べることなんだ。僕たちはそれに従うだけさ。リッカルドはとても良いやつだし、代表では健全なグループだから問題は全くないよ」

ミラノでのオリーセとの対決、ミュンヘンでのケインとの対決を経ても、まだ君を純粋なディフェンダーではないと疑う声がある

「それはすごくイタリア的な見方だと思う。特に自国の選手に対しては、どうしても嫉妬があるんだ。僕は国外の試合をたくさん見るけど、対人の鬼って呼ばれているような選手でも、僕よりずっと多くのミスをしている。2〜3年前ならそう言われるのも仕方なかったかもしれない。でも、ちゃんと課題に向き合って、改善してきた。今はもう、そのラベルは僕に合わないと思う」

●カッサーノ「バストーニは大した選手じゃない」(2025/3/7)

守備面ではどんなことに取り組んできた?

「映像を使って、自分のミスを見直すのがひとつ。あと、何より頭の問題だった。よく集中を切らして、90分間ずっと意識を保つのが難しかった。でも今は違うよ。26歳になったばかりで、まだまだ成長できると思っているけど、インテルでの最初の頃は明らかに準備不足だった」

「僕がほかの選手と違うのは、攻撃面でのビルドアップ力だ。それが未来のDFの形かは分からないけど、自分がその役割を変えた最初の一人であることには誇りを持っている。そして、ちゃんと守ることもできる。シュクリニアルやアチェルビ、デ・フライ、パヴァールのようなハードなDFたちのそばにいたことで成長できた。でも一番変わったのは、やっぱり頭だね」

体の面でも変わった? 今は以前より持久力があるように見える

「代表戦も含めると、もう54試合も出ている。ローテーションは不可欠だというのは、チーム全員が理解しているよ。3日ごとにフルパワーで大事な試合をするのは、物理的に無理なんだ。インザーギ監督は誰であろうと関係なくローテーションをするし、そういう考え方が今の僕たちをここまで導いてくれた。体の成熟に関しても、まだ完成していないと思っている。28〜29歳になれば、もっとピークに近づくはずだ」

来月待っているのは失望かもしれない。もしタイトルを1つも取れなかったら、それでも誇れるシーズン?

「理論上は、3大会すべてで2位になる可能性もある。これだけのレベルで戦ってきたシーズンを“失敗”とは絶対に言えない。お金をバンバン使っているほかのクラブを見れば分かる。でも、タイトルが1つも取れなかったら、正直ちょっと悔しさは残ると思うね」

インテルの突破を一番喜んだのはアントニオ・コンテかもしれない

「ドゥオーモ広場で祝っていたんじゃない?(笑) もちろん冗談だよ。でも、コンテ監督にはすごく感謝している。あの人は言葉でも駆け引きをしてくるし、もしかしたらちょっと自分を隠して、プレッシャーを僕たちにかけようとしているのかもしれないね。でも、僕たちは落ち着いている。外からどれだけ批判されても、自分たちの中を見つめてここまで来た。スクデットは絶対に獲りたい。でも、ナポリも最後まで戦ってくるはずだから、一戦も気を抜けないね」

シモーネ・インザーギ監督の“知られざる力”はある?

「僕たちにとって“仲間”でいてくれることだ。ピッチに向かって叫んでいる姿を見るでしょ? あれは僕たちにとってはすごく大事なサインなんだ。練習中もそう。情熱もエネルギーも、全部が伝わってくる。疲れている時やイライラしている時でも、冗談で空気を和ませてくれる。そういったことが本当にありがたいんだ」

ロッカールームではこっそり“デモーネ(デーモン)”って呼んでいるって噂だけど…

「いやいや、それはさすがに…(笑)」

“バストンバウアー”ってあだ名は気に入っている?

「悪くないね。ディマルコがパルマで僕のことジェリーって呼び始めたんだけど、理由は“キリンみたいに背が長いから”って。そっちは意味が分からないけどね(笑)」

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