インテルの生え抜きが語る
インテルのフェデリコ・ディマルコが、21日にYouTubeなどで公開されたジャンルカ・ガッツォーリがMCを務める『BSMT』に出演した。その中で、様々なテーマについて語っている。
生粋のミラネーゼであるディマルコは、インテリスタと育った。一時はレンタルでクラブを離れ、インテルのトップチームに定着することは難しいとみられた時期もあったが、いまではチームをけん引する一人として活躍している。
ディマッシュ(Dimash)のあだ名は誰が?
「ヴェローナへのレンタルから復帰してからだね。ミステルが最初に言ったんだ。特に理由とかはなくて、いきなりそう呼ばれるようになった。それからみんなディマッシュで呼ぶようになったね」
ウィスキーっていうニックネームもあるって聞いたけど…
「いや、それはもう過去のことさ」
エリートコースとは言えなかった。“選ばれし者”ではなかった
「僕はたぶん、最後の“選ばれし者”だったんだ。インテルのユニフォームを着てピッチに立つときもピッチの外でも、自分らしくあろうとしている。競争心が強くて、いつだってチームメートを助けたい。そうでなくても、何かしら刺激を与えたい」
「インテルでプレーをすると、重要な試合があるんだ。もちろん、どの試合も大事なんだけど、特に大事な試合というのがある。そういった試合では一言多めに言ったりするね。こういったことは、全て下部組織で経験したことや教えられたことのおかげだと思っている。それをピッチの内外で持ち続けている」
SNSの反響
「褒められているとうれしいね。でも、僕はほかの選手との比較が好きじゃないんだ。誰だって、それぞれの物語がある。偉大な選手たちと比較してもらえるのは光栄だけど、個人的に比較そのものが好きじゃない」
「カルチョは瞬間の積み重ねであって、インテルだって良い時も悪い時もあった。チャンピオンズリーグ決勝で負けたことや、2022年のスクデットを逃したこととかね。そういうときは本当に精神的にキツイけど、分析して糧にして、次の目標をみつけていく。それで、次こそ優勝してやるって言い聞かせるんだ」
それを実現した
「幸運にもね。ホントに最高だよ。その上、2つめのステッラが付いた。最高だね」
飛躍のきっかけとなったエラス・ヴェローナへのレンタル
「いろんなことがあったね。ミステルが僕のポテンシャルを発揮してくれた。ディレクターも、それまでの人たちとは違って、最初からハッキリと言ってくれた。そして、言ったことをちゃんと守ってくれる。この世界だと簡単なことじゃないんだ。だから、ユリッチとダミーコに会うと、いまでも愛情を込めてあいさつに行くよ」
「ヴェローナに行くことは自分で決めた。あそこに行ったらダメになるって言われまくったけど、僕はそこでプレースタイルを変えられると信じていた。時間をかけてその通りにできたね。ヴェローナは楽しかったし、僕にでっかいものを与えてくれた街だ。コロナのせいで無観客試合になってしまったことが心残りだよ」
影響を受けた選手
「復帰して一番衝撃的だったのはペリシッチだ。彼はとんでもないシーズンを過ごしていた。あと、ジェコのように多くのビッグクラブでプレーしてきた選手からは学ぶことが多かった。シュクリニアルにハンダノビッチにラウタロ・マルティネス。バレッラのことは14歳のときから知っているし、バストーニとはパルマでも一緒だったよ」
カルチョを辞めようと思ったことは?
「シオン時代(2017/18シーズン)だね。ケガをしたこともあるし、妻との間にできた息子が亡くなってしまったんだ。自分を見つめ直した。妻とは一緒に育ってきたし、困難な時期にとても重要な存在だった。いつだって僕を信じてくれたし、難しい時期でも支え続けてくれたよ。僕たちがこどもを失ったときだってね。今の僕がここにいるのは彼女のおかげだ。それに、彼女は僕に素敵な2人のこどもを授けてくれたからね」
こどもたちはインテリスタ?
「もちろん。ちゃんと教育したよ。まあ、そもそも選択の余地があまりなかっただろうけど…(笑)」
他クラブのティフォージ
「みんなに好かれているわけじゃない。そういうものだね。ほかのチームのティフォージが、僕を技術的なクオリティじゃなくて、カリスマ性があるから欲しいって言ってくれているのを読むとうれしいよ。それは僕が日々、全力でやっている姿勢を評価してくれているからだと思うんだ」
アイドルは?
「たくさん尊敬している選手がいる。こう言ってしまうと怒られるかもしれないけど、テオ・エルナンデスのことは選手としてすごく尊敬しているんだ。こどもの頃はロベルト・カルロスがいたし、マックスウェルも好きだった。いろいろなことを盗んでいきたいね」
マルコ・マテラッツィとの関係
「よく連絡するよ。インテルへの愛着というところで似ているんだ。試合についてよく話しているよ、良い関係を築かせてもらっている」
インテリスタとして気合いが入りすぎることは?
「たぶん、感情が高ぶりすぎている。でも、年齢を重ねるにつれて、感情のコントロールを学んだね。最後のダービー(昨季のスクデットが懸かったミラノダービー)は一番すごかったよ」
「負けたときは、悔しさが収まるのに2、3日かかっちゃうんだ。でも、1週間に3試合あるとそれどころじゃないから気が紛れるね。もちろん、インテルでプレーできるのは僕にとってこの上ないことで、いつだってベストを尽くそうとしている。だから、ユニフォームは大事に扱わないとね。心からそう思うよ」
UEFAチャンピオンズリーグ決勝の失望
「試合終了時にヘトヘトだったよ。でも、次の日には自分にこう言ったんだ。『このチームはチャンピオンズの決勝まで行った。誰も予想していなかったことをした。マンチェスター・シティが相手だから4点くらい取られるなんてみんなが言っていたけど、互角にやり合ったんだぞ』ってね」
「負けたことはクラブとして最大の失望だと思うけど、世界最強のチームと互角に戦えたことが素晴らしいことだって思った。いまになってあの試合を振り返ると、まだ僕たちの時じゃなかったんだって感じているよ」