インテルは傲慢だったのか
22日に行われたセリエA第5節のミラノダービーは、2−1でミランがインテルを下すサプライズが起きた。ミランに対する世間の評価は一変し、逆にインテルは大きく評判を落としている。
この結果に対して、ファブリツィオ・ビアシン記者は冷静に分析し、『TMW』のコラムで両チームの状況を伝えた。
2−1でも圧勝…?
ビアシンは、「ミランが勝った。ある意味、圧勝と言っていい」と切り出し、「『ミランは負ける』『フォンセカは監督解任だ』と大騒ぎだった。だから、圧勝という言葉を選んだ」と記した。
「実際に、これはフォンセカのダービーだった」とビアシン。「1週間非難され続けても反論することなく、『守備を固めろ』という周囲の声を無視し、むしろその逆を行くことで、ティフォージもインテルも驚かせた。インテルが戦術面で負けるということはほとんどないが、フォンセカはそれをやり遂げた」と綴り、ミラン指揮官の手腕を称えている。
インザーギ批判は過剰?
今度はミランに敗れたインテルが批判される番だが、同記者はそれも違うと感じている。
ビアシンは「『インテルは傲慢だった』という声がある。ただ、実際のところ、マンチェスターで90分間激闘したあとの疲労があったし、対戦相手の戦術的な巧みさもあった。交代選手が思ったほどレベルを引き上げられなかったこともある」と負けた理由を指摘し、「『インザーギの交代が悪かった』とも言われているが、それは一つの意見だ。私の意見では、全ての大会で最後まで勝っていくには、全員の貢献が不可欠だ。ならば、監督はそういった選手の起用を恐れるべきではないと考える。さもなくば、いつも同じ選手が起用されてリスクが高くなるものだ」とし、交代選手のパフォーマンスがいまいちだったのは監督の責任ではないとした。
さらに、1試合の結果で騒ぎすぎる傾向に思うところがあるようで、「『インザーギはこうすべきだ』、『インザーギには何もできない』。批判者たちのプロパガンダが再び始まっている。インテルは、UEFAチャンピオンズリーグ決勝進出やカンピオナート独走優勝といったことを成し遂げたが、彼らは最初のつまずきでハゲタカのように飛びついてくる。これはセリエAの監督、特にインザーギが置かれている厳しい状況だ」と指摘。
「今回も全ての責任を負ったインザーギには、一つだけ欠点がある。彼はお行儀が良すぎるということだ。シモ、たまにはその群れから1人適当に選んで『くたばれ』って言ってやればいい。そうすれば、少しは敬意を払われるかもしれない。(それでも敬意は得られないだろうけどね)」と、インテル指揮官がお人好しであることを強調した。
また、インテルが昨季ほど圧倒的でないことも当然だと主張。「カンピオナートはかなり競争の激しいものになる。インテルが単独で優勝街道を走るわけではないというのは、全く当然のことだ。ほかのチームはインテルとは違い、数十億円を投じて選手を獲得している。もし少しでも競争の均衡が取れなければ、いくつかのクラブの経営能力が疑われるべきだろう」と述べ、インテルが勝ち点を落としても騒ぎ立てるべきではないとの見方を示した。